【画像合成】背景が透ける切り抜きグラスの合成方法【描画モード】

【画像の合成】背景が透ける切り抜きグラスの合成方法【描画モード】

【Photoshop基本操作】画像にワイングラスを合成するには、不透明度で「半調」にしてはダメです。これじゃ幽霊みたいになってします (笑)。ガラスのくっきりした質感は、エッジの濃い部分と、光沢や映り込みの明るい部分を残しながら、背景が透けて見えるように調整しなければなりません。描画モードの [乗算] と [スクリーン] を活用してみましょう。



ブレンド条件で最終調整!
ブレンド条件とは、階調レベルで不透明度を調整する機能です。合成結果に反映させない境目 (隠す領域) が調整できます。言ってみれば、この機能だけで合成することも可能です。しかし、対象画像により、階調数が減ってしまうので「全能」ではありません。作例では、最終調整で不透明部分を削る目的に使用します。

背景が透けて見える合成方法

これから行う操作は、無背景で撮影したワイングラスを切り抜き、別の画像に合成する方法です。背景が透けて見える合成方法がテーマなので、素材画像のワイングラスには、すでに切り抜きパスが作成してあります。切り抜きが苦手な方でもカンタンにできるレッスンです。リアルな合成に挑戦してみましょう!
元画像 → 背景が透けて見える合成方法

切り抜きマスクを作成する

素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[幅 : 1276 pixel]、[高さ : 1920 pixel]、 [解像度 : 300 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。
素材画像を開く
素材画像を開く
photo by adonyig
白色ホリゾントが原則!
素材に用いるワイングラスは、白色ホリゾント (背景の壁や布・紙など) で撮影されていることが原則です。背景があるものや黒っぽいホリゾントは NG です。
黒っぽい背景だと暗い部分が抽出しにくい
黒っぽい背景だと暗い部分が抽出しにくい
描画モードの [乗算] と [スクリーン] を活用する方法では、いちばん暗い部分と明るい部分がそれぞれ抽出できなくてはなりません。そのためには、中間調を起点とした明るめの背景に、透明なオブジェクトを置いた素材が適しています。
[パス] パネルを表示します。
[パス 1] レイヤーサムネールを [command (Ctrl)] キーを押しながらクリックします。
[command (Ctrl)] + クリック
[command (Ctrl)] + クリック
すると、ワイングラスの選択範囲が作成されます。
切り抜きの選択範囲を確認
切り抜きの選択範囲を確認
[イメージ] メニューから、[切り抜き] を選択します。すると、選択範囲の領域でトリミングされ、カンバスサイズが最小限の大きさになります。
選択範囲の領域でトリミング
選択範囲の領域でトリミング
[レイヤー] パネルを表示します。
[背景] サムネールを [option (Alt)] キーを押しながらダブルクリックします。すると、背景からレイヤーに変換されます。
[option (Alt)] + ダブルクリック → 背景からレイヤーに変換
[レイヤー] パネルで、[レイヤーマスクを追加] をクリックします。
[レイヤーマスクを追加] をクリック
[レイヤーマスクを追加] をクリック
ワイングラスの切り抜きが完了しました。
領域でトリミング → レイヤーマスクで切り抜き
切り抜きマスクをパーツで行う!
レイヤーマスクで切り抜きを行う場合、合成する別の画像にコピー&ペーストしてから、そのドキュメントで作業する方がイメージしやすいかも知れません。しかし、切り抜きの対象が小さかったり、レイヤーが複数で構成されているときは、無駄や混乱の原因にもなりかねません。作例では、切り抜きマスクをパーツの段階で作成しておくことで、後の作業の効率化を図ります。
このレッスンの動画を配信中!
【Photoshop講座】背景が透ける切り抜きグラスの合成方法
サムネールをクリックすると、YouTube 動画にリンクします。

スマートオブジェクトに変換する
[レイヤー] メニューから、[スマートオブジェクト] → [スマートオブジェクトに変換] を選択して適用します。
[スマートオブジェクトに変換] を適用
[スマートオブジェクトに変換] を適用
スマートオブジェクトとは?
[スマートオブジェクトに変換] を適用すると、[背景] やレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、適用後の色調補正やフィルターが再編集できます。レイヤーマスクを含むスマートオブジェクトは、リンクされたマスク領域が保持され、ドキュメントを開くことで、レイヤーマスクを編集することができます。
[レイヤー] パネルで、[レイヤー 0] を [新規レイヤーを作成] にドラッグします。
[レイヤー 0 のコピー] が作成されたことを確認します。
[新規レイヤーを作成] にドラッグ → [レイヤー 0 のコピー] を作成
それぞれのレイヤー名を上から [グラス : スクリーン]、[グラス : 乗算] に変更します。
[グラス : スクリーン] を選択します。
[グラス : 乗算] を非表示にします。
レイヤー名を変更
レイヤー名を変更
スマートオブジェクトを複製すると?
同じドキュメント内で、スマートオブジェクトを複製すると、それぞれのコンテンツはリンクされます。たとえば、元のスマートオブジェクトで行なったレイヤーマスクの編集は、複製したスマートオブジェクトにも反映されます。まったく同じ編集内容が共有されるワケです。
基本がわかる動画を配信中!
チャンネル登録をお願いします!

開口部にマスクを作成する

[パス] パネルを表示し、[パス 1] を選択します。
[パス 1] を選択
[パス 1] を選択
[ツール] パネルから、[パスコンポーネント選択ツール] を選択します。
[パスコンポーネント選択ツール] を選択
[パスコンポーネント選択ツール] を選択
ワイングラスの開口部をクリックして、楕円形の閉じたパスを選択します。
[command (Ctrl)] + [C] キーを押して、コピーします。
開口部のパスをクリック&コピー
開口部のパスをクリック&コピー
[パス] パネルで、何もないところをクリックします。
すると、[パス 1] の選択が解除されます。※パスの表示が消えます。
何もないところをクリック
何もないところをクリック
[レイヤー] パネルを表示して、[command (Ctrl)] + [V] キーを押してペーストします。
すると、[グラス : スクリーン] にベクトルマスクが作成されます。
[レイヤー] パネルを表示してペースト → ベクトルマスクを作成
オプションバーで、[前面シェイプを削除] を選択します。
[前面シェイプを削除]を選択
[前面シェイプを削除] を選択
開口部がマスクされ、透明ピクセルに置き換えられました。
開口部がマスクされた
開口部がマスクされた
開口部の不透明度を調整!
グラスの開口部に設けたベクトルマスクは、後の操作で不透明度を調整するために用います。この部分は、グラスの中でもいちばん背景が透ける部分です。しかし、撮影時による白色ホリゾントの影響も大きく、暗い背景に合成する場合は、その明るさを大幅に抑えなければ、他の部分との整合性が取れません。
基本がわかる動画を配信中!
チャンネル登録をお願いします!

グループを作成する

[レイヤー] パネルで、[グラス : 乗算] を表示します。
[shift] キーを押しながら、[グラス : 乗算] をクリックして、[グラス : スクリーン] と2枚同時に選択します。
[グラス : 乗算] を表示 → 2枚同時に選択する
[新規グループを作成] をクリックします。
[グループ 1] が作成されたことを確認します。
[新規グループを作成] をクリック → [グループ 1] を作成
[グループ 1] の名称を [切り抜きグラス] に変更します。
グループ名を変更
グループ名を変更
複数のレイヤーを一括管理!
作例のように、切り抜き用レイヤーが複数で構成されている場合、グループフォルダーに入れておくと、移動や変形などの適用が、切り抜きオブジェクト単位で一括して行えるようになります。乱雑になりがちな [レイヤー] パネルも整理できるので、一石二鳥ですね。

別の画像にドラッグ&ドロップする

素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[幅 : 1280 pixel]、[高さ : 1280 pixel]、 [解像度 : 300 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。
素材画像を開く
素材画像を開く
photo by monicore
[ウィンドウ] メニューから、[アレンジ] → [2 アップ – 縦] を選択します。すると、2つのドキュメントがウィンドウ内に並列して表示されます。
2つのドキュメントを並列して表示
2つのドキュメントを並列して表示
[切り抜きグラス] のウィンドウを選択します。
[レイヤー] パネルのグループフォルダー [切り抜きグラス] を、合成するドキュメントウィンドウにドラッグ&ドロップします。
別の画像にドラッグ&ドロップ
別の画像にドラッグ&ドロップ
すると、別の画像に [切り抜きグラス] が配置されます。
[切り抜きグラス] を配置
[切り抜きグラス] を配置
[command (Ctrl)] + [T] キーを押して、変形のバウンディングボックスを表示します。
オプションバーで、[縦横比を固定] をクリックします。
[垂直比率を設定] に「50%」を入力します。
バウンディングボックス内をドラッグして、合成する位置を調整します。
[垂直比率を設定] に「50%」を入力
[垂直比率を設定] に「50%」を入力
バウンディングボックスを表示 → 合成する位置を調整
[enter] キーを押して、変形を確定します。
[切り抜きグラス] の大きさや位置が調整できた
[切り抜きグラス] の大きさや位置が調整できた
縦と横を切り替える!
ウィンドウの2アップは、作業の途中でも縦と横を切り替えて表示することができます。[ウィンドウ] メニューから、[アレンジ] → [2 アップ – 横] を選択します。2アップから元の状態に戻したい場合は、[ウィンドウ] メニューから、[アレンジ] → [すべてのタブを統合] を選択します。
[2 アップ - 横] を選択
[2 アップ – 横] を選択

エッジの濃い部分を合成する

[レイヤー] パネルで、グループフォルダー [切り抜きグラス] を展開します。
[グラス : スクリーン] を非表示にします。
[グラス : 乗算] を選択します。
[グラス : 乗算] を選択
[グラス : 乗算] を選択
描画モードに [乗算] を選択します。
描画モードに [乗算] を選択
描画モードに [乗算] を選択
すると、[切り抜きグラス] のエッジの濃い部分だけが合成されます。
エッジの濃い部分だけが合成される
エッジの濃い部分だけが合成される
[イメージ] メニューから、[色調補正] → [グラデーションマップ] を選択します。[グラデーションマップ] ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集] をクリックします。
[クリックでグラデーションを編集] をクリック
[クリックでグラデーションを編集] をクリック
[グラデーションエディター] ダイアログで、以下のグラデーションを設定して、[OK] をクリックします。
[グラデーションエディター] ダイアログを設定
[グラデーションエディター] ダイアログを設定
【設定値】
[位置 : 0%] [不透明度 : 100%]
[位置 : 100%] [不透明度 : 100%]
[位置 : 0%] [H : 32° / S : 80% / B : 37%]
[位置 : 50%] [H : 210° / S : 5% / B : 50%]
[位置 : 100%] [H : 35° / S : 10% / B : 100%]
[グラデーションマップ] ダイアログで、[OK] をクリックします。
[OK] をクリック
[OK] をクリック
[切り抜きグラス] に色をつけることができました。
[切り抜きグラス] に色をつけることができた
[切り抜きグラス] に色をつけることができた
背景画像の色調に合わせる!
[切り抜きグラス] のエッジの濃い部分は、レンズ効果により周囲の映像が屈折して凝縮されたモノです。なので、合成する背景画像の色調に合わせた着色が必要なワケです。と言っても、合成は擬似的なものなので、およそ感じる程度のカラーを設定しましょう。作例では、シャドウ点を濃い茶色に、ハイライト点を少し赤みがかった明るい色に設定し、中間点は少し青みがかったグレーに設定しました。

明るい部分を合成する

[レイヤー] パネルで、[グラス : スクリーン] を表示して選択します。
描画モードに [スクリーン] を選択します。
描画モードに [スクリーン] を選択
描画モードに [スクリーン] を選択
すると、[切り抜きグラス] の光沢や映り込みの明るい部分だけが合成されます。
明るい部分だけが合成される
明るい部分だけが合成される
[レイヤー] パネルで、[グラス : スクリーン] ベクトルマスクサムネールを選択します。
ベクトルマスクサムネールを選択
ベクトルマスクサムネールを選択
[属性] パネルで、[マスク] をクリックし、[濃度] に「75%」を入力します。
[マスク] オプションを設定
[マスク] オプションを設定
グラスの開口部の不透明度が調整できました。
開口部の不透明度が調整できた
開口部の不透明度が調整できた
乗算とスクリーンの特性!
描画モード [乗算] は、基本色と合成色のカラー情報を乗算した結果色を表示します。中性色がホワイトなので、結果色が基本色より明るくなる、または淡くなることはありません。描画モード [スクリーン] は、基本色と合成色のカラー情報を反転し、それを乗算した結果色を表示します。中性色がブラックなので、結果色が基本色より暗くなる、または濃くなることはありません。この2つの描画モードは、まったく相反する特性を持っています。

背景が透けて見えるようにする

[イメージ] メニューから、[色調補正] → [トーンカーブ] を選択します。[トーンカーブ] ダイアログで、トーンカーブ上をクリックして、調整ポイントを追加します。
[入力] に「191」、[出力] に「128」を入力して、[OK] をクリックします。
[入力] と [出力] を設定
[入力] と [出力] を設定
階調のコントラストを強くすることができました。
コントラストを強くすることができた
コントラストを強くすることができた
階調を残す設定を心がける!
作例の [切り抜きグラス] で抽出した明るい部分は、白色ホリゾントで撮影された明るさなので、それより暗い背景素材と合成すれば、当然のことながら明るすぎます。なので、[トーンカーブ] で補正するワケですが、最も明るい部分を維持しながら暗く調整しなければなりません。最も暗い部分の階調を飛ばすことも NG です。ここでは、階調を残すことを心がけて、出来るだけ暗くするコントラストの設定にとどめておきます。
[レイヤー] パネルで、[グラス : スクリーン] の右端空きスペースをダブルクリックします。
空きスペースをダブルクリック
空きスペースをダブルクリック
[レイヤースタイル] ダイアログで、[レイヤー効果] → [ブレンド条件] セクションの [ブレンド条件] に [グレー] を選択 (初期設定) します。[このレイヤー] のシャドウ点の調整ポイントを右側へドラッグして「16」を設定します。
[レイヤースタイル] ダイアログを設定
[レイヤースタイル] ダイアログを設定
シャドウ点の調整ポイントを右側へドラッグ
シャドウ点の調整ポイントを右側へドラッグ
シャドウ点を分割する、右側の調整ポイントを [option (Alt)] キーを押しながら右側にドラッグして、「255」を設定します。
[option (Alt)] + ドラッグ
[option (Alt)] + ドラッグ
「255」を設定
「255」を設定
グラスの背景が透けて見えるように調整できました。
背景が透けて見えるように調整できた
背景が透けて見えるように調整できた
※作例ではワイングラスの底部にドロップシャドウを追加しています。
暗い部分を削る!
[ブレンド条件]とは、階調レベルで不透明度を調整する機能です。元画像を補正して階調を変えるものではなく、合成によるマスク領域をどの階調レベルに置くか? を設定できます。たとえば、シャドウ点を「16」に設定すると、0 〜 16 階調レベルまでをマスク領域とするので、その対象のピクセルが隠されます。切り抜きグラスの合成では、切り札的な機能ですね。

スポンサード リンク