基本がわかる!パスの作成と使い方

基本がわかる!パスの作成と使い方

【Photoshop基本操作】「パスは苦手」と決めつけていませんか? 最も習得が困難とされる [ペンツール] ですが、複雑な操作を最初から覚える必要はありません。Photoshop では、画像の輪郭をなぞることが多いため、まず、その形を構成する「アンカーポイント」がどこにあるべきなのか? を考えることから始めます。解説の簡単な操作を試みてください。きっと、そうだったのか! と思うハズです。



少ないアンカーで構成する!
パスを構成する要素は、杭に張ったロープのようです。杭の数が多いほど複雑な形にすることができます。しかしパスには、まっすぐ張ったロープを曲げるスゴイ機能があるのです。自然で美しい曲線を描くには、杭にあたる「アンカーポイント」の数をできるだけ少なくすることがコツになります。そのため、適切なアンカーポイントの位置を想定することが重要です。

パスの概要

Photoshop で使う「パス」とは、[ペンツール] で描く細い線のことを言います。専門的には「ベジェ曲線」といわれる、摩訶不思議な線や塗り面を作成するための「セグメント」で、その働きや用途、描き方において、もっとも習得が困難なものとされています。
スタジオで撮影された写真と屋外写真と合成したイメージ
たとえば、合成写真を作成する場合、オブジェクトの「正確な境界線」が必要になります。パスは、このようなときに威力を発揮します。
パスを構成する要素
パスの操作は、杭に張ったロープのような感覚で行うといいでしょう。各部の名称や働きも、杭に張ったロープに置き換えると覚えやすいかも知れません。
パスを構成する要素
パスを構成する要素
●アンカーポイント
パスの曲がり角を示す点で、[パス選択ツール] でクリックすると、そのアンカーポイントの方向線が表示されます。
●セグメント
2つのアンカーポイントをつなぐ線です。
●方向線
アンカーポイントからセグメントが伸びる方向と、その強さを長さで示します。
●方向点 (ハンドル)
方向線の終端を示す点で、[パス選択ツール] や、[アンカーポイントの切り替えツール] でドラッグして編集できます。

パスは画像に影響しない

パスは、直接画像に影響しない「下書き」のようなものです。オブジェクトの輪郭をなぞり、パスの開始点まで戻って、「閉じたパス」にするのが一般的です。
作成したパスは [パス] パネルで管理する
作成したパスは [パス] パネルで管理する
作成したパスは [パス] パネルで管理します。パスを作成すると自動的に「作業用パス」として保存されます。パスに名前を付けたり、複製やパスの編集、[クリッピングパス] への変更、選択範囲の作成などが行えます。
パスからドキュメントに描画!
「下書き」のパスから、その領域内を塗りつぶしたい場合は、[パス] パネルで、「作業用パス」、または保存したパスを選択して、[パス] パネルメニューから、[パスの塗りつぶし] を選択します。すると、現在設定された描画色で、パス領域を塗りつぶすことができます。
[パスの境界線を描く] を選択
[パスの境界線を描く] を選択
パスの境界線を描きたい場合は、[パスの境界線を描く] を選択します。すると、描画ツールを選択する [パスの境界線を描く] ダイアログが表示されます。境界線の太さや色は、その選択した描画ツールの現在の設定値が用いられるので、あらかじめ、設定しておく必要があります。
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閉じたパスとは?

「閉じたパス」とは、パスの開始点と終了点を連結させたものです。「クローズドパス」とも呼ばれ、パスが閉じていないものを「開いたパス」、または「オープンパス」といいます。オブジェクトの形状をトレースする場合は、必ずパスを閉じます。
閉じたパスと開いたパス

演算オプション [パスの操作]

オブジェクトが複数に分裂していたり、ドーナツ型に空洞をくり抜く場合も、それぞれのパスを「閉じたパス」にする必要があります。
2つめの「閉じたパス」で空洞をくり抜く
2つめの「閉じたパス」で空洞をくり抜く
複数の「閉じたパス」を作成する場合は、その順序も考える必要があります。最初に作成した「閉じたパス」に対して、次に作成した「閉じたパス」が、どのような重なり方をするのか? 「演算オプション」の設定を円滑にするためです。「閉じたパス」を面として捉え、それぞれを順序よく組み合わせていくことで、ひとつの輪郭を形成していくものだと考えるといいでしょう。
パスの重なり方を設定する [パスの操作]
パスの重なり方を設定する [パスの操作]
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最初に覚えたいパスの操作

パスの操作は、まず、「直線」と「曲線」を作成する操作方法を覚えましょう。この2つの操作さえ覚えれば、とにかくパスは作成できます。たとえば、推奨する「方向線引き出しトレース方法」では、この2つの操作だけでパスが描けます。

ペンツールを選択する

[ツール] パネルから、[ペンツール] を選択します。
[ペンツール] を選択
[ペンツール] を選択
オプションバーで、[ツールモードを選択] に [パス] を選択します。
[パス] を選択
[パス] を選択
[パスの操作] に [シェイプを結合] を選択します。※バージョン CS 5 以前では、[パス範囲に合体] を選択します。
[シェイプを結合] を選択
[シェイプを結合] を選択

アンカーポイントを作成する

ドキュメント上でクリックすると、最初のアンカーポイントが作成されます。これがパスを構成するセグメントの開始点となります。

直線を作成する

[ペンツール] で、開始点をクリックし、マウスカーソルを移動させ、次のクリックで、2つのアンカーポイントをつなぐ直線が作成されます。
直線を作成する

曲線を作成する

[ペンツール] で、開始点をクリックホールドし、進行方向へドラッグすると、線のカーブをコントロールする方向線が引き出せます。マウスカーソルを移動させ、クリックホールドからドラッグすると、2つのアンカーポイントをつなぐ曲線が作成されます。
曲線を作成する
2つの操作だけでパスを描く方法
直線と曲線の組み合わせで描く「方向線引き出しトレース方法」とは、アンカーポイントの作成と方向線の引き出しを同時に行い、セグメントの曲線をトレースラインに合わせて調整しながら、パスを閉じるまでの操作を一気に仕上げる描き方です。
方向線引き出しトレース方法
ショートカットキーを併用して、アンカーポイントやセグメントの移動、方向線の折り曲げなども組み込めば、さらに自由度の高い操作が行えます。ただし、この方法は、少々の熟練が必要です。一度の操作で効率よく、正確なパスを描くのが難しいからです。
元画像 → 選択しにくい境界線を正確に切り抜く
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パスの調整と編集

アンカーポイントの移動や方向線の調整など、パスの操作はたくさんあります。基本的には、パスの調整と編集を行う専用ツールを選択しますが、[ペンツール] の使用中に、キー操作で一時的に切り替えて使用することも多いです。パスを調整したり編集する主な操作をご紹介しましょう。

アンカーポイントを追加する

[アンカーポイントの追加ツール] で、セグメント上をクリックします。クリックホールドからドラッグすると、そのまま方向線の角度や長さも調整できます。
アンカーポイントを追加する
[ペンツール] を使用中でも、同じ操作ができます。
アンカーポイントを追加する

アンカーポイントを削除する

[アンカーポイントの削除ツール] で、アンカーポイントをクリックします。
アンカーポイントを削除する
[ペンツール] を使用中でも、同じ操作ができます。
アンカーポイントを削除する

直線から曲線にする

[アンカーポイント切り替えツール] で、アンカーポイントをクリックホールドし、パスの進行方向にドラッグして、方向線を引き出します。パスが未選択の場合は、パスをクリックし、アンカーポイントを表示します。
直線から曲線にする
[ペンツール] を使用中に [option (Alt)] キーを押すと、[アンカーポイント切り替えツール] が一時的に使用できます。
直線から曲線にする

角度を折り曲げる

[アンカーポイント切り替えツール] で、方向線の終端をクリックホールドし、角度を折り曲げるようにドラッグします。パスが未選択の場合は、パスをクリックし、調整したい方向線を表示します。
角度を折り曲げる
[ペンツール] を使用中に [option (Alt)] キーを押すと、[アンカーポイント切り替えツール] が一時的に使用できます。
角度を折り曲げる

曲線から直線にする

[アンカーポイント切り替えツール] で、アンカーポイントをクリックし、方向線を削除します。パスが未選択の場合は、パスをクリックし、アンカーポイントを表示します。
曲線から直線にする
[ペンツール] を使用中に [option (Alt)] キーを押すと、[アンカーポイント切り替えツール] が一時的に使用できます。
曲線から直線にする

アンカーポイントを移動する

[パス選択ツール] で、アンカーポイントをクリックし、移動させたい場所までドラッグします。パスが未選択の場合は、パスをクリックし、アンカーポイントを表示します。
アンカーポイントを移動する
[ペンツール] を使用中に [command (Ctrl)] キーを押すと、[パス選択ツール] が一時的に使用できます。
アンカーポイントを移動する

方向線を調整する

[パス選択ツール] で、アンカーポイントをクリックし、方向線の終端をドラッグします。角度と長さが調整できます。パスが未選択の場合は、パスをクリックし、調整したい方向線を表示します。
曲線から直線にする
[ペンツール] を使用中に [command (Ctrl)] キーを押すと、[パス選択ツール] が一時的に使用できます。
曲線から直線にする

セグメントを調整する

[パス選択ツール] で、セグメントをドラッグします。セグメントの形状が変わると、方向線の角度や長さも連動して変更されます。
セグメントを調整する
[ペンツール] を使用中に [command (Ctrl)] キーを押すと、[パス選択ツール] が一時的に使用できます。
セグメントを調整する
[曲線ペンツール] を使ってみよう!
[曲線ペンツール] は、曲線の曲がり具合を自動的に適用してくれるゴキゲンなツールです。パス操作の鬼門「方向線」を設定する必要がないので、直感的にクリックするだけで、定義に基づいた美しい曲線を作成することができます。これでパスの苦手を克服しましょう!
クリックだけで閉じたパスを作成
クリックだけで閉じたパスを作成

パスの練習「アンカーポイント優先方法」

「アンカーポイント優先方法」とは、形状を構成するすべてのアンカーポイントを作成してから、方向線を引き出して、セグメントの曲線を調整するパスの描き方です。
アンカーポイント優先方法
「方向線引き出しトレース方法」に比べて操作行程は多くなりますが、アンカーポイントの位置の予測や、セグメントをパートごとに確認して調整できるので、これからパスの描き方を学ぼうとする方にオススメできる方法です。

ペンツールを選択する

[ツール] パネルから、[ペンツール] を選択します。
[ペンツール] を選択
[ペンツール] を選択
オプションバーで、[ツールモードを選択] に [パス] を選択します。
[パス] を選択
[パス] を選択
[パスの操作] に [シェイプを結合] を選択します。※バージョン CS 5 以前では、[パス範囲に合体] を選択します。
[シェイプを結合] を選択
[シェイプを結合] を選択

アンカーポイントを作成する

これから描こうとする形状は正円です。正円のアンカーポイントは、0°、90°、180°、270°の4カ所にあります。なので、上部を開始点として、「時計回り」に4カ所クリックします。
4カ所をクリックしてアンカーポイントを作成

パスを閉じる

4カ所めをクリックして、アンカーポイントが作成できたら、開始点のアンカーポイントにマウスカーソルを重ねます。
開始点をクリックしてパスを閉じる
すると、マウスカーソルの右下に○が表示されます。これが「閉じたパス」の合図です。アンカーポイントの開始点をクリックすると、直線でパスが閉じられます。
バージョンにより異なる!
パスが閉じられると、自動的にすべてのアンカーポイントが選択された状態になります。※バージョン CS 6 以前では、自動的にアンカーポイントが非表示となり、パスが未選択の状態になります。

[アンカーポイントの切り替えツール] を選択する

[ツール] パネルから、[アンカーポイントの切り替えツール] を選択します。
[アンカーポイントの切り替えツール] を選択
[アンカーポイントの切り替えツール] を選択
アンカー専用ツール!
[アンカーポイントの切り替えツール] は、アンカーポイントに方向線を追加したり、削除したり、方向点の長さや角度を編集することができます。操作はアンカーポイントをクリックして、方向線の追加と削除、ドラッグして方向線の引き出し、方向点の長さや角度の調整です。

セグメントを曲線にする

すべてのアンカーポイントが選択されている場合、何もないところをクリックすると選択を解除できます。未選択のパスをクリックすると、アンカーポイントが表示されます。[アンカーポイントの切り替えツール] のマウスカーソルは、アンカーポイントとセグメント以外の領域で、[パス選択ツール] と同じになり、その間は [パス選択ツール] と同じ働きをすることを示します。
アンカーポイントをドラッグして方向線を引き出す
上部 (開始点) のアンカーポイントにマウスカーソルを重ねると、[アンカーポイントの切り替えツール] に変わります。アンカーポイント上でクリックホールドし、そのまま右方向 (時計回りの方向) にドラッグして、マウスボタンを離します。すると、直線のセグメントが曲線に変わります。
方向線の長さと線分距離との関係
方向線は、反対側にも引き出され、長さと角度も比例しています。しかし、再びドラッグすると、それぞれの方向線の長さと角度は変わります。方向線の長さによって、曲線は自由にコントロールできますが、操作の難易度は高まります。
方向線の引き出しを1回で済ませば、長さと角度は比例しています。隣接するアンカーポイントが適切な位置にさえあれば、それぞれの方向線の長さと角度を変える必要はまったくありません。これが、パスを簡単に効率よく作成するためのコツになります。
方向線の目安
正円の半径を線分 (2点の直線) 「1」とした場合、中点の方向線の長さは約「0.55」なので、これを超える長さを方向線に加えると、セグメントの曲線が「角」に近付いていきます。つまり、そのアンカーポイントの付近から、曲線の効力がなくなり、方向線の意味すらなくなっていく…ということ。方向線の長さは線分 1/2 強を超えない! 曲線が美しいか、美しくないか、その判断基準となる「境目」だと思います。

その他の方向線を作成する

その他のアンカーポイントも時計回りの順に、パスの進行方向にドラッグして、正円のパスを完成させます。
その他のアンカーポイントから方向線を作成
正円は概念的に表したもので、ここでは「正確」な円形を描く必要はないです。
「アンカーポイント優先方法」のまとめ
●閉じたパスは時計回りが原則!
方向線の引き出しが、進行方向で作成できるので効率的です。方向を決めておくことで、セグメントのねじれやエラーを防げます。
●2方向 180°比例が最も美しい!
方向線の引き出しを1回で済ませば、長さと角度は比例しています。隣接するアンカーポイントが適切な位置にさえあれば、それぞれの方向線の長さと角度を変える必要はまったくありません。これが、パスを簡単に効率よく作成するためのコツになります。
●方向線の長さは線分 1/2 強を超えない!
隣接するアンカーポイントに影響を与えなくなるので、操作が理解しやすくなります。正円の半径を目安とすることで、幾何学曲線を描く技術が向上します。
セグメントをプレビュー!
[ペンツール] の選択時に、オプションバーの歯車アイコンをクリックすると、[ラバーバンド] という項目のチェックボックスが表示されます。
[ラバーバンド]にチェックマークを入れる
セグメントをプレビューできるラバーバンド機能
セグメントをプレビューできるラバーバンド機能
[ラバーバンド] を有効にすると、アンカーポイントから次のアンカーポイントまでのセグメントが、[ペンツール] の移動に合わせてプレビューされます。[ペンツール] のペン先に線がくっついてくるカンジです。

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