【Photoshop基本操作】レイヤーマスクとは、不要な部分を隠す機能です。背景から人物を切り抜くときなどに使われています。自然で滑らかな境界線がつくれるので、画像合成の仕上がりを左右する、重要なテクニックとなります。用途によって使い分ける、レイヤーマスクの種類と作り方をご紹介しましょう。
ピクセルとベクトルを使い分け!
レイヤーマスクを使用した切り抜きは、型紙のようなもので抜くイメージです。つまり、切り抜きの境界線にピッタリの、型紙をつくるテクニックが求めらるワケです。
オブジェクトの正確な形状をトレースすることはもちろん、ときには、曖昧にしたり、簡単にしたり、境界線をぼかすことだって必要になります。たとえば、ピクセルマスクとベクトルマスクの使い分けは、このような境界線の違いによって選ばれます。

レイヤーマスクの基本
オブジェクトを切り抜く場合、不要な部分を「マスク領域」といいます。マスク領域の作成方法で、最も多く行われているのは、選択範囲からレイヤーマスクを作成することです。

レイヤーマスクの概念図
レイヤーマスクとは、グレースケール画像の明度によって、マスク領域が塗り分けられた「ピクセルマスク」です。最もポピュラーなレイヤーマスクの作成方法から、レイヤーマスクの基本を探っていきましょう。
白黒のマスク領域
レイヤーマスクに用いられれる「ピクセルマスク」とは、「ベクトルマスク」とを区別する種類の名称です。マスクの基本を語る上では、このピクセルマスクのしくみが取り上げられることが多いです。

白黒で塗り分けられたマスク領域は、明度の違いによって、ひとつひとつのピクセルに不透明度が換算されます。
たとえば、明度 0% の黒は、不透明度 0%。明度 50% のグレーは、不透明度 50%。明度 100% の白は、不透明度 100% です。ピクセルマスクの黒い領域は透明になり、白い領域はそのまま残ります。
マスク領域を透明にする
レイヤーオブジェクトに選択範囲を作成して、レイヤーマスクを作成すると、マスク領域は透明ピクセルに置き換えられます。背面に画像がある場合は、透明部分に画像が表示され、前面のマスク画像 (切り抜き画像) と合成されます。

レイヤーマスクを作成できるのはレイヤーのみです。置き換えられた透明ピクセルは、元のピクセル情報を保持したままで、マスク領域に編集が加えられると、透明ピクセルに置き換えられる領域も変化します。
マスク部分は残っている!
レイヤーマスクで隠された部分は、見た目は透明ですが、元画像のまま、変わらずに残っています。レイヤーマスクを削除、または、効果を一時的に解除すれば、切り抜く前の状態に戻すことができます。
このような、再編集を可能にするメリットが、レイヤーマスクにはあります。しかし、隠された部分が、そのまま保持されているので、データ容量が大きくなるデメリットも持ち合わせています。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、オブジェクトのレイヤーを選択します。
[ レイヤーマスクを追加 ] をクリックします。
![[レイヤーマスクを追加]をクリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/p234_01_05b.jpg)
[ レイヤーマスクを追加 ] をクリック
すると、レイヤーにレイヤーマスクが追加され、選択範囲外のマスク領域が透明になり、背面に画像がある場合は背景を表示します。

レイヤーマスクを確認
マスクの選択を確認!
レイヤーマスクの作成時は、レイヤーマスクサムネールが2重枠で表示され、現在、選択中であることを示しています。レイヤーとレイヤーマスクの選択は、サムネールをクリックすることで切り替えられます。

レイヤーマスクを編集する場合は、レイヤーマスクが選択されていなければなりません。レイヤーマスクを選択しても、ドキュメントウィンドウの表示は変わりません。
レイヤーマスクモードにするには、レイヤーマスクサムネールを [ option ( Alt ) ] + クリックします。
レイヤーマスクを編集
[ ツール ] パネルで、[ ブラシツール ] を選択します。ドキュメントをドラッグすると、隠れていたマスク領域が現れます。これを「マスクの編集」といいます。レイヤーマスクを作成するメリットは、設定後もマスクの編集ができることです。

レイヤーマスクを表示
[ レイヤー ] パネルで、レイヤーマスクサムネールを [ option ( Alt ) ] キーを押しながらクリックします。レイヤーマスクモードに切り替え
![[option(Alt)]+クリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/p234_01_08.jpg)
[ option ( Alt ) ] + クリック
すると、ドキュメントウィンドウが、レイヤーマスクモードに切り替わります。

用途により使い分ける!
レイヤーマスクの編集は、レイヤーマスクが選択されていれば、どちらのモードでも行えます。
結果を確認しながら行える「画像描画モード」は、あらゆる用途において使用できますが、レイヤーマスク内のコピー&ペーストが行えません。
レイヤーマスクモードは、レイヤーマスク内のコピー&ペーストのほか、現在のレイヤーマスクが、どのように作成されているかを確認する場合に表示します。
画像描画モードに戻す
レイヤーマスクモードから通常の画像描画モードに戻すには、レイヤーマスクサムネールを [ option ( Alt ) ] キーを押しながらクリック、または、レイヤーサムネールをクリックします。画像描画モードに切り替え

レイヤーサムネールをクリック
レイヤーサムネールを選択すると、通常の画像描画モードに戻ります。

描画色を戻す習慣を持とう!
編集中に描画色、または、背景色を変更すると、モード切り替え時に反映されます。
描画色、または、背景色に、有彩色を設定していた場合、レイヤーマスクモードでは、グレースケール (無彩色) に置き換えられるため、混乱してしまうことも多いかと思います。
レイヤーマスクを編集する前に、[ 描画色と背景色を初期設定に戻す ] をクリックする習慣を持ちましょう。

フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。