【Photoshop講座】写真ではわかりにくい部分を精密に描き出す「テクニカル・イラストレーション」は、自動車や家電製品などの技術的な情報を、視覚的に伝達するための技法です。カーマニアの興味をグッと掴むポイントは、シャープなシルエットと克明な陰影。写真の生っぽさを消し、エアブラシで描かれたような精悍なタッチで仕上げましょう。
フラットと隈取りの最強タッグ!
写真を言い換えるなら「ノイズの集合体」です。一方、テクニカル・イラストレーションの特徴は、タッチを感じさせないリアルな描写です。
コントラストを強くすると階調が飛んでしまうし、誇張した補正はノイズの出現を招きます。この2つを解消させるにはどうしたらいいか? その答えが、このレッスンには含まれています。ノイズのないフラットな面にグラデーションを発生させる技を習得しましょう。
面をぼかして輪郭をシャープに
これから行う操作は、写真をテクニカル・イラストレーション風に加工する方法です。写真の暗い部分を明るくすると、それだけでイラストっぽくなります。課題はノイズの解消とハイコントラストの共存です。[ぼかし (詳細)] と [アンシャープマスク] を使用して、面をぼかして輪郭をシャープにしましょう。

背景を白く塗りつぶす
素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[幅 : 1280 pixel]、[高さ : 1280 pixel] 、[解像度 : 72 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。

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切り抜きパス付ファイル!
このレッスンでは、作業に必要なパスをファイルに保存しています。作品に応用する場合は、あらかじめ、主体を切り抜くパスを作成するか、レイヤーマスクなどで正確な選択範囲を作成してください。
[パス] パネルで、[パス 1] を [command (Ctrl)] キーを押しながらクリックして、オープンカーの選択範囲を作成します。
![[command (Ctrl)] + クリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2017/06/km212_01_02.png)
[command (Ctrl)] + クリック
すると、オープンカーの境界線に選択範囲が作成されます。選択範囲が作成されたことを確認したら、[shift] + [command (Ctrl)] + [I] キーで、選択範囲を反転します。

[レイヤー] パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成] をクリックし、メニューから [べた塗り] を選択して、[べた塗り 1] を作成します。[カラーピッカー] ダイアログで、新しい色に [ホワイト] を設定し、[OK] をクリックします。
![[ホワイト] を設定した [べた塗り 1] を作成](https://psgips.net/wp-content/uploads/2017/06/km212_01_04.png)
[ホワイト] を設定した [べた塗り 1] を作成
オープンカーを切り抜き、背景を白く塗りつぶすことができました。

背景を白く塗りつぶすことができた
べた塗りで切り抜く方法!
選択範囲を作成して、塗りつぶしまたは調整レイヤーを作成すると、選択されていない領域を隠すレイヤーマスクが自動的に作成されます。切り抜くオブジェクトの背景を選択しておくと、その部分が一気に塗りつぶせるワケです。
作例では、切り抜き状態でさまざまな効果を確認したいので、[べた塗り] で背景を白く塗りつぶす方法を取りました。