写真を絵画調に!ひび割れたテンペラ画風

写真を絵画調に!ひび割れたテンペラ画風

【Photoshop講座】「テンペラ」とは、ルネッサンス期の壁画などに多く用いられた、 古典的な西洋絵画の技法です。 石膏を塗った板に、顔料と卵黄を混ぜ合わせて描くもので、 写実的で筆のタッチがあまり見られないのが特徴です。 テンペラ画の重厚な色調と、絵の具のひび割れ模様を演出してみましょう。
写真の生っぽさをなくす!
テンペラ画の特徴のひとつに、まるで写真かと思わせるような写実主義があります。タッチを無くし、ひたすら光と影を追求する姿勢は、現代の写真を目指していたとも言えます。
優れた写真素材なら、そのままでも十分なのかも知れませんが、強いてあげるなら、写真の生っぽさを抑えることです。ディテールを崩しすぎないことが、古典的な絵画風を目指す上でのポイントだと思います。

ひび割れたテンペラ画風に加工

これから行う操作は、写真を絵画調に加工する方法です。テンペラ画の特徴は、写実的で重厚な色彩を用いることです。重厚な色彩は、使用される絵の具の特性から、黄みがかっていることがひとつの原因です。
元画像→ひび割れたテンペラ画風
写真撮影で例えるなら「色かぶり」ですね。古い壁画っぽいひび割れの質感に目を奪われがちになると思いますが、擬似的に引き起こす色かぶりのテクニックに注目してください。
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【Photoshop講座】写真を絵画調に!ひび割れたテンペラ画風
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写実的な絵画タッチにする

素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[ 幅 : 1280 pixel ]、[ 高さ : 960 pixel ]、 [ 解像度 : 72 pixel/inch ]、[ カラーモード : RGB カラー ] を使用しています。
素材画像を開く
素材画像を開く
画像の大きさに注意!
Photoshop のフィルター効果は、対象画像のピクセル数に大きく影響されるので、他の素材画像で応用する場合は、あらかじめ適切な大きさにリサイズしてください。
基本がわかる!画像解像度の設定
[ フィルター ] メニューから、[ スマートフィルター用に変換 ] を適用します。
スマートオブジェクトを確認
スマートオブジェクトを確認
スマートオブジェクトとは?
[ スマートオブジェクトに変換 ] を適用すると、[ 背景 ] やレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、適用後の色調補正やフィルターが再編集できます。

粗いノイズをつける設定

[ フィルター ] メニューから、[ フィルターギャラリー ] を選択します。[ フィルターギャラリー ] 操作パネルで、[ テクスチャ ] – [ 粒状 ] を選択します。
[ 粒状 ] を選択
[ 粒状 ] を選択
[ 粒状 ] ダイアログで、[ 粒子の種類 ] に [ 凝集 ] を選択します。
[ コントラスト ] に [ 50 ]、[ 密度 ] に [ 50 ] を入力します。
[ 粒状 ] ダイアログを設定
[ 粒状 ] ダイアログを設定
すると、いろんな色を含む点描のような効果が生まれます。
[ 粒状 ] 適用前 → [ 粒状 ] 適用後 ( プレビュー )
粗いノイズをつける!
[ 粒子の種類 ] に [ 凝集 ] を選択すると、いろんな色を含む点描のような効果が生まれます。作例では、元画像の印象をできるだけ残したいので、[ 密度 ] に中間値の[ 50 ]を設定しました。[ コントラスト ] は、ノイズの差を調整するもので、数値が大きくなるほど強くなります。

2つめのエフェクトを追加

[ フィルターギャラリー ] 操作パネルで、[ 新しいエフェクトレイヤー ] をクリックします。
[ 粒状 ] の複製を確認します。
[ 新しいエフェクトレイヤー ] をクリック → [ 粒状 ] の複製を確認
[ アーティスティック ] – [ ドライブラシ ] を選択します。[ ドライブラシ ] ダイアログで、[ ブラシサイズ ] に [ 0 ]、[ ブラシの細かさ ] に [ 8 ]、[ テクスチャ ] に[ 1 ]を入力します。
[ 粒状 ] と [ ドライブラシ ] が設定できたら、[ OK ] をクリックします。
[ ドライブラシ ] ダイアログを設定
[ ドライブラシ ] ダイアログを設定
[ ドライブラシ ] を適用することで、粗いランダムなタッチを作り出し、効果の無機質感を緩和させます。
[ 粒状 ] と [ ドライブラシ ] を適用
[ 粒状 ] と [ ドライブラシ ] を適用
ドライブラシのコツ!
[ ドライブラシ ] の設定は、まず、[ ブラシサイズ ] を調整しましょう。[ ブラシサイズ ] は、ピクセルをブレンドする大きさを調整するもので、数値が大きくなるほど、単純化される範囲が広くなり、大きなブラシで描いたようなタッチになります。初期設定は [ 2 ] です。
[ ブラシの細かさ ] は、ブラシを強調するエッジの幅を調整するもので、数値が大きくなるほどエッジの幅が小さくなり、適用画像のディテールを残せます。初期設定は [ 8 ] です。
[ テクスチャ ] は、ブラシのハロー ( 光りがぼやけて見える現象 ) を調整するもので、数値が大きくなるほどハローが強くなり、ランダムなタッチが現れます。初期設定は [ 1 ]です。
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