【Photoshop基本操作】モノクロ写真の一部分だけの色を残す「パートカラー」は、色の印象や主体を強調できるので、雑誌や広告の分野ではポピュラーな手法です。素材画像の「効かし色」を決めて、違和感のないマスクをスピーディに作成しましょう。
パートカラーは3原色に絞る!
3原色とは、透過する光の色 (加色混合) では、赤、緑、青、反射するモノの色 (減色混合) では、シアン、マゼンタ、イエローです。パートカラーにする色は、この中のいずれかの色に絞りましょう。そもそもパートカラーは、特定の色を強調させる目的があるので、白や黒、グレーなどの無彩色を選択する必要もないですね。

プリセットを利用する方法
これから行う操作は、プリセット (定義済みメニュー) から特定の色を選び、パートカラーを作成する方法です。パートカラーにしやすい色は、背景色と異なる「明度」が高い色です。反射するモノの色の中では、黄色がいちばん適しています。自動車のボディカラーだけを残して、他の領域をモノクロ化しましょう。

黄色の色域を指定する
素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[幅 : 1280 pixel]、[高さ : 850 pixel]、 [解像度 : 72 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。

素材画像を開く
[選択範囲] メニューから、[色域指定] を選択します。[色域指定] ダイアログで、[選択] に [イエロー系] を選択します。
[階調の反転] にチェックマークを入れ、[OK] をクリックします。
![[イエロー系] を選択して [階調の反転] をオン](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_01_02.png)
[イエロー系] を選択して [階調の反転] をオン
選択した色の系統以外の領域に、選択範囲が作成されたことを確認します。

選択範囲が作成されたことを確認
黄色は異質のカラー!
定義済みメニューは、RGB スペクトルの色相環を基に、色相が大別されています。[選択] では、指定したい色域に、最も近い色相を選択します。作例で選択した [イエロー系] は、他の色域と比べて「明度」が高く、色の要素で最も検知しやすい異質のカラーです。
![RGB スペクトルの色相環→[イエロー系] を指定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_01_04b.png)
選択範囲をモノクロにする
[レイヤー] パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成] をクリックし、メニューから [白黒] を選択して、[白黒 1] を作成します。
![[白黒 1] を作成](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_02_01.png)
[白黒 1] を作成
選択範囲のレイヤーマスクが自動的に生成され、カラーを残したい部分以外がモノクロになりました。しかし、レイヤーマスク領域が不完全なので、全体的に少しカラーが残っています。

カラーを残したい部分以外がモノクロになる
レイヤーマスクを修正する
[レイヤー] パネルで、[白黒] レイヤーマスクサムネールを [option (Alt)] キーを押しながらクリックします。
![[option (Alt)] + クリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_03_01.png)
[option (Alt)] + クリック
すると、ドキュメントが、レイヤーマスクモードに切り替わります。

オプションバーで、[選択範囲に追加] を選択します。ブラシサイズは任意で設定します。
![[選択範囲に追加] を選択](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_03_04.png)
[選択範囲に追加] を選択
ドキュメント内をドラッグして、選択範囲を作成します。対象の素材によって、詳細な選択や、ブラシによる描画が必要になることもあります。

ドキュメント内をドラッグして選択範囲を作成
[編集] メニューから、[塗りつぶし] を選択します。[塗りつぶし] ダイアログで、[内容] に [ホワイト] を選択して、[OK] をクリックします。
![[内容] に [ホワイト] を選択](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_03_06.png)
[内容] に [ホワイト] を選択
[command (Ctrl)] + [D] キーを押して、選択を解除します。レイヤーマスクを修正することができました。

レイヤーマスクを修正することができた
グレースケールの選択率!
[白黒] 調整レイヤーのレイヤーマスクは、白い部分が選択される領域で、黒い部分が選択されない領域です。つまり、白い部分に白黒の効果が適用されます。グレースケール画像には、白い部分と黒い部分の他に、曖昧な中間値も存在します。中間値はグレースケールの濃度によって、選択率に強弱が付けられます。

グレースケールの選択率
マスクの濃度を調整する
[イメージ] メニューから、[色調補正] → [トーンカーブ] を選択します。[トーンカーブ] ダイアログで、シャドウ点の調整ポイントをクリックして選択します。

調整ポイントを選択
[入力] に「64」、[出力] に「0」を入力します。
トーンカーブ上をクリックして、調整ポイントを追加します。
![[入力] と [出力] を設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_04_02.png)
[入力] と [出力] を設定
[入力] に「207」、[出力] に「128」を入力します。
[OK] をクリックします。
![[入力] と [出力] を設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_04_04.png)
[入力] と [出力] を設定
マスクの濃度を調整することができました。

マスクの濃度を調整することができた
[レイヤー] パネルで、[白黒] レイヤーサムネールをクリックして、ドキュメントを画像描画モード (通常表示) に切り替えます。
![[白黒] レイヤーサムネールをクリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2019/06/ut186_01_04_07.png)
[白黒] レイヤーサムネールをクリック
プリセットを利用する簡単な方法で、黄色い自動車のパートカラーが完成しました。

プリセットを利用する方法でパートカラーが完成した
ハイライト点を保持!
レイヤーマスクの濃度を調整するコツは、ハイライト点を保持しながら、シャドウ点を削ることです。作例の場合、黄色の領域を黒で塗りつぶすことが目的ですから、その領域内にあるハイライト部分が、これ以上に明るく (白く) なってしまうと困るワケです。

ハイライト点を保持したカーブを描く
[トーンカーブ] では、ハイライト点を現状のまま残して、シャドウ点を 64 レベルまで削って暗くしています。