【Photoshop講座】廃退的な世界観を表現できる錆鉄は、映画やゲームなどのタイトルバックでよく見られます。ランダムな斑点模様から粗い粒子を生成し、ゴツゴツと隆起した塗料の剥がれた様子を [ベベルとエンボス] で立体的に表現しましょう。
錆色の観察力を身につける!
質感の表現は「陰影」と「光沢」が重要です。しかし、視覚的な影響力があるのは、なんと言っても「色」です。たとえば、青色なら空や海を連想したり、緑色なら葉や森を連想するように、人間の意識には潜在的なものがあります。
錆色も同じです。単調な赤茶色だけでは、赤錆を連想させることは難しいです。ここがゼロからつくるテクスチャの真骨頂です。実物よりも赤錆に見える、そんな観察力を身につけておきましょう。
何もない状態から赤錆を描く
こらから行う操作は、Photoshop の機能だけを使って、何もない状態から赤錆を描く方法です。といっても、フリーハンドで描くような操作は一切ありません。ステップ・バイ・ステップ方式で、手順どおりに操作すれば、誰でも「赤錆びた鉄板」が作成できます。最初に生成する「雲模様」がそのまま、廃工場で見られるような赤錆びた鉄板に変身します。
![[雲模様 1] を適用→ 何もない状態から赤錆を描く](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_00_01.png)
ベースを作成する
[ファイル] メニューから、[新規] を選択します。[新規ドキュメント] ダイアログで、[幅] に「1024」pixel、[高さ] に「768」pixel、[解像度] に「72」pixel/inch、[カラーモード] に「RGB カラー」、[8 bit] を設定して、[作成] をクリックします。
![[新規ドキュメント] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_01_01.png)
[新規ドキュメント] ダイアログを設定
テクスチャを適用するサイズの新規ドキュメントを開きます。

新規ドキュメントを開く
[レイヤー] メニューから、[スマートオブジェクト] → [スマートオブジェクトに変換] を選択して適用します。

スマートオブジェクトを確認
スマートオブジェクトとは?
[スマートオブジェクトに変換] を適用すると、[背景] やレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、切り抜き後の画像が再編集できます。
[背景] に適用すると、レイヤー名が [レイヤー 0] に変更され、[背景] では設定できなかった [描画モード] や [不透明度]、[位置をロック] などが有効になります。
[フィルター] メニューから、[描画] → [雲模様 1] を選択して適用します。
![[雲模様 1] を適用](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_01_03.png)
[雲模様 1] を適用
描画色と背景色を初期設定に戻す!
[雲模様 1] は、現在の描画色と背景色が反映されます。ここでは、描画色に [ブラック]、背景色に [ホワイト] を設定します。[ツール] パネルの [描画色と背景色を初期設定に戻す] をクリックすると、描画色と背景色を初期設定 (黒と白) に戻ります。

粗い粒子の生成
[フィルター] メニューから、[ピクセレート] → [メゾティント] を選択します。[メゾティント] ダイアログで、[種類] に [粗いドット] を選択して、[OK] をクリックします。
![[メゾティント] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_02_01.png)
[メゾティント] ダイアログを設定
スマートフィルターで模様替え!
[雲模様 1] や [メゾティント] などの効果は、適用するたびに異なる乱数が割り当てられるため、全く同じ結果にはなりません。
スマートオブジェクトにフィルターを適用すると、設定後も再編集が可能な「スマートフィルター」として適用されます。[レイヤー] パネルで、フィルター名をダブルクリックして、好みに模様替えすることができます。
[フィルター] メニューから、[ノイズ] → [ノイズを加える] を選択します。[ノイズを加える] ダイアログで、[量] に「50」% を入力し、[分布方法] に [均等に分布] を選択、[グレースケールノイズ] にチェックマークを入れて、[OK] をクリックします。
![[ノイズを加える] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_02_02.png)
[ノイズを加える] ダイアログを設定
![[雲模様 1] を適用 (部分) → 粗い粒子を生成 (部分)](https://psgips.net/wp-content/uploads/2018/06/tex07_02_02b.png)
2つのフィルターで質感づくり!
[メゾティント] で粗い質感を加え、[ノイズを加える] で細かい質感を加えます。[メゾティント] の効果は、白黒2色だけで構成されるため、大胆な粗い粒子を作成できますが、白黒それぞれの領域に階調が含まれないため、平坦な印象になりがちです。