【Photoshop講座】放射状に広がる光は、登場感や疾走感などをアカデミックに表現できるので、情報、科学、環境、エネルギーといったテクノロジー分野で、会社案内、製品カタログなどのイメージとしてよく使われています。宇宙空間を高速で移動しているような、光の抽象的な背景アートを作成しましょう。
空間の奥行き感じさせる!
空間は上下左右に広がっているだけでなく、前方にも後方にも広がっています。すべてが擬似的な、ゼロから作成するテクスチャでは、それらを忠実に再現することは難しいので、どこかで「ごまかす」テクニックを入れていきます。
明るい部分は近くに見え、暗い部分は遠くに見えるという「錯覚」を利用して、[ 放射状に広がる光 ] の背景に、空間の奥行きを感じさせる [ 膨張した煙 ] を作成しましょう。
何もない状態から放射光を描く
こらから行う操作は、Photoshop の機能だけを使って、何もない状態から放射光を描く方法です。といっても、フリーハンドで描くような操作は一切ありません。ステップ・バイ・ステップ方式で、手順どおりに操作すれば、誰でも [ 放射状に広がる光 ] が作成できます。
![[ 雲模様 1 ] を適用 → 何もない状態から放射光を描く](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01a_00.jpg)
ベースを作成する
[ 放射状に広がる光 ] の背景には、空間の奥行きを感じさせる [ 膨張した煙 ] を作成します。[ 雲模様 1 ] の斑点模様は、ランダムに生成されるため、適した効果を選べるスマートオブジェクトに適用します。
[ ファイル ] メニューから、[ 新規 ] を選択します。[ 新規ドキュメント ] ダイアログで、[ 幅 ] に [ 1280 ] pixel、[ 高さ ] に [ 1280 ] pixel、[ 解像度 ] に [ 300 ] pixel/inch、[ カラーモード ] に [ RGB カラー ]、[ 8 bit ] を設定して、[ 作成 ] をクリックします。
![[新規ドキュメント] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01a_01.jpg)
[新規ドキュメント] ダイアログを設定
新規ドキュメントを作成します。

新規ドキュメントを作成
どんなサイズにも対応!
ドキュメントサイズの [ 幅 ]、[ 高さ ] には、大きさや比率の制限は特にありません。たとえば、1280 x 720 pixel の長方形でも、同じ効果が得られます。しかし、放射状の適用範囲が正円のため、十分な効果を得るには正方形が最も適しています。
[ レイヤー ] パネルで、[ 新規レイヤーを作成 ] をクリックして、[ レイヤー 1 ] を作成します。
![[ 新規レイヤーを作成 ] をクリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01a_03.jpg)
[ 新規レイヤーを作成 ] をクリック
[ フィルター ] メニューから、[ スマートフィルター用に変換 ] を選択して適用します。

スマートオブジェクトを確認
スマートオブジェクトとは?
[ スマートフィルター用に変換 ] を適用すると、[ 背景 ] やレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、フィルター適用後の画像が再編集できます。

警告アラート
[ 雲模様 1 ] などの描画系フィルターは、元画像を必要としません。したがって、ピクセルを含まない透明のレイヤーから、描画も含めたスマートオブジェクトを作成することが可能です。
雲模様の適用
[ ツール ] パネルで、[ 描画色と背景色を初期設定に戻す ] をクリックして、描画色にブラック、背景色にホワイトを設定します。
![[ 描画色と背景色を初期設定に戻す ] をクリック](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01b_01.jpg)
[ 描画色と背景色を初期設定に戻す ] をクリック
[ フィルター ] メニューから、[ 描画 ] – [ 雲模様 1 ] を選択して適用します。
![[ 雲模様 1 ] を適用](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01b_02.jpg)
[ 雲模様 1 ] を適用
フィルターの再実行!
[ 雲模様 1 ] は、現在の描画色と背景色から、適用毎に異なるランダムな斑点模様を生成します。適した模様が生成されない場合は、[ command ( Ctrl ) ] + [ F ] キーを押して、フィルターの再実行を行います。

前面の効果を非表示
スマートオブジェクトでは、フィルターの再実行を新しい効果として追加します。複数の効果から選択して適用することもできます。
つまむの設定
[ フィルター ] メニューから、[ 変形 ] – [ つまむ ] を選択します。[ つまむ ] ダイアログで、[ 量 ] に [ -50 ] % を入力して、[ OK ] をクリックします。
![[ つまむ ] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01c_01.jpg)
[ つまむ ] ダイアログを設定
[ 雲模様 1 ] で生成した斑点模様が、ドキュメントの中心から膨張しました。
![[ 雲模様 1 ] を適用 → [ つまむ ] を適用](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01c_02.jpg)
膨張した煙を表現!
通常、空間の奥行きを感じさせるには、ドキュメントの中心へ収縮する表現を用いますが、[ 放射状に広がる光 ] では、手前に迫ってくる [ 膨張した煙 ] をイメージさせます。これは、[ 放射状に広がる光 ] がトンネル状に流れているのではなく、爆発した球体であることを示しています。
渦巻きの設定
[ フィルター ] メニューから、[ 変形 ] – [ 渦巻き ] を選択します。[ 渦巻き ] ダイアログで、[ 角度 ] に [ 50 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
![[ 渦巻き ] ダイアログを設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01d_01.jpg)
[ 渦巻き ] ダイアログを設定
[ 膨張した煙 ] が、ドキュメントの中心から渦巻き状に変形しました。
![[ つまむ ] を適用 → [ 渦巻き ] を適用](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/09/tex12_01d_02.jpg)
渦巻の中心に注意!
ベースの [ 雲模様 1 ] はランダムに生成されるため、斑点模様の位置が定まっていません。[ 放射状に広がる光 ] では、渦巻の中心に白い領域を配置させることがベストです。
フィルターの再実行で、[ 雲模様 1 ] の斑点模様を変更するほか、シームレスパターンの特性を活かして、[ フィルター ] – [ スクロール ] で、斑点模様の位置を調整することも可能です。

フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。