塗り残しを作成する
これまでの加工画像を利用して、色むらや塗り残しを表現する作業を行います。スマートオブジェクトに適用したフィルターを、[ 塗料 ] に変更し、境界線を大胆にエフェクトできる、[ スパークル ] を選択して、商業広告のイラスト風を仕上げましょう。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、[ 背景 コピー ] を [ 新規レイヤーを作成 ] にドラッグします。
[ 背景 コピー 2 ] が作成されたことを確認します。
[ フィルターギャラリー ] をダブルクリックして、[ フィルターギャラリー ] 操作パネルを表示します。
[ フィルターギャラリー ] 操作パネルで、[ アーティステック ] – [ 塗料 ] を選択します。
[ 塗料 ] ダイアログで、[ ブラシの種類 ] に [ スパークル ] を選択します。[ ブラシサイズ ] に [ 8 ]、[ シャープ ] に [ 20 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
[ フィルター ] メニューから、[ ぼかし ] – [ ぼかし ( ガウス ) ] を選択します。[ ぼかし (ガウス) ] ダイアログで、[ 半径 ] に [ 0.5 ] pixel を入力して、[ OK ] をクリックします。
合成を意識したエフェクト
[ 背景 コピー 2 ] に適用する効果は、後に設定する描画モード [ オーバーレイ ] によって威力を発揮します。描画モード [ オーバーレイ ] の特性は、明るい合成色はより明るく、暗い合成色はより暗くなります。つまり、作り出すタッチを活かすには、できるだけ明るい方がいいワケです。
塗り残しの線幅は、[ シャープ ] で調整してください。[ 塗料 ] の効果にジャギー (境界線のギザギザ) が目立つので、[ ぼかし (ガウス) ] で緩和させます。
用紙のざらつきを設定
色むらや塗り残しの効果が設定できたら、用紙の質感を設定しましょう。ここでは、立体的なデコボコが適用できる [ テクスチャライザー ] を使用して、用紙のざらつきを表現します。
【操作方法】
[ フィルター ] メニューから、[ フィルターギャラリー ] を選択します。[ フィルターギャラリー ] 操作パネルで、[ テクスチャ ] – [ テクスチャライザー ] を選択します。
[ テクスチャライザー ] ダイアログで、[ テクスチャ ] に [ 砂岩 ] を選択します。[ 照射方向 ] に [ 左上へ ] を選択します。[ 拡大・縮小 ] に [ 200 ]、[ レリーフ ] に [ 4 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
個別のエフェクトを作成
[ テクスチャライザー ] は、ひとつめの [ フィルターギャラリー ] には作成せず、[ ぼかし (ガウス) ] を挟んで、独立したエフェクト項目を個別に作成します。
描画モードの設定
複数のフィルターを適用した [ 背景 コピー 2 ] を、描画モード [ オーバーレイ ] で合成しましょう。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、描画モードに [ オーバーレイ ] を選択します。
色むらや塗り残しの効果を加えることができました。
ハイライトの調整
描画モード [ オーバーレイ ] の特性によって、明るくなり過ぎた部分を調整します。カラーマーカーで描いた、商業広告のイラスト風の加工を完成させましょう。
【操作方法】
[ 調整レイヤーを新規作成 ] をクリックし、メニューから [ レベル補正 ] を選択して、[ レベル補正 1 ] を作成します。
[ 属性 (プロパティ) ] パネルで、[ クリッピングマスクを作成 ] をクリックします。
[ レベル補正 ] ダイアログで、[ 出力レベル ] のハイライト点に [ 207 ] を入力します。
スポーツ写真を、カラーマーカーで描いた商業広告のイラスト風に加工できました。
塗り残しを落ち着かせる
塗り残し箇所は、合成により真っ白にできましたが、本物っぽく見せるには真っ白が禁物です。[ レベル補正 ] で、[ 出力レベル ] のハイライトを調整すると、真っ白な部分を暗くできます。色むらを調整したい場合は、[ 入力レベル ] の中間点を調整します。
フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。