写真をイラスト調に!紙幣のような肖像画

写真をイラスト調に!紙幣のような肖像画

【Photoshop講座】紙幣のような肖像画は、緻密で繊細な線を重ね合わせて描かれています。そのレトロでアンテークな趣のある技法は、銅版画に属する「凹版彫刻・エングレービング」と呼ばれいます。4種類の平行線ハーフトーンを使って、写真を紙幣のような肖像画にする方法をご紹介しましょう。



ハーフトーンに波線を用いる!
基本機能にある [ハーフトーン] は、点や線を規則正しく並べたものですが、そのパターンを波線にすることで、肖像画の形状に沿って描かれた緻密な線らしくします。作例では、密度や角度が違う4種類のハーフトーンパターンを用意し、4段階の異なる「しきい値」を持つ [2階調化] 画像に適用します。

人物写真を紙幣のような肖像画に加工

これから行う操作は、人物写真を紙幣のような肖像画に加工する方法です。SNS などのプロフィール用に最適ですね。作例では、ハーフトーンを適用するまでの手順に絞っていますが、着色やテクスチャの適用、フレーム装飾などを加えて、さらにレトロでアンティークな演出にも挑戦してみましょう。
元画像 (部分) → 紙幣のような肖像画 (部分)

4種類のハーフトーンを定義する

マスクとして使用することを前提とした、細い波線のシームレスパターン (つなぎ目のない模様) を用意します。ハーフトーンパターンは、以下のリンクをクリックしてダウンロードしてください。
ダウンロードしたハーフトーン「6px_0msk」を開きます。
ハーフトーン「6px_0msk」を開く
ハーフトーン「6px_0msk」を開く
[編集] メニューから、[パターンを定義] を選択します。[パターン名] ダイアログで、[パターン名] に「6px_0msk」を入力して、[OK]をクリックします。
[パターン名] ダイアログを設定
[パターン名] ダイアログを設定
同じ要領で、その他のハーフトーンを定義して、プリセットに保存します。
プリセットマネージャーで確認した例
プリセットマネージャーで確認した例
パターンを定義でどうなる?
[パターンを定義] を適用すると、定義した画像がパターンプリセットとして登録されます。定義した画像は、[塗りつぶし] コマンドや塗りつぶし調整レイヤーなどのパターンとして選択することができます。パターンの管理は、[編集] メニューから、[プリセット] → [プリセットマネージャー] を選択します。
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素材画像を開く

素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[幅 : 1440 pixel]、[高さ : 1440 pixel] 、[解像度 : 300 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。加工する素材は、陰影がはっきりした人物の顔や小物など、ディテールが単純な写真が好ましいです。
素材画像を開く
素材画像を開く
photo by DanielaJakob
[レイヤー] メニューから、[スマートオブジェクト] → [スマートオブジェクトに変換] を選択して適用します。
[スマートオブジェクトに変換] を適用
[スマートオブジェクトに変換] を適用
スマートオブジェクトとは?
[スマートオブジェクトに変換] を適用すると、[背景] やレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、適用後の色調補正やフィルターが再編集できます。[背景] に適用すると、レイヤー名が [レイヤー 0] に変更され、[背景] では設定できなかった [描画モード] や [不透明度]、[位置をロック] などが有効になります。
[レイヤー] パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成] をクリックし、メニューから [べた塗り] を選択して、[べた塗り 1] を作成します。
[べた塗り 1] を作成
[べた塗り 1] を作成
[カラーピッカー] ダイアログで、新しい色に [ホワイト] を設定して、[OK] をクリックします。
新しい色に [ホワイト] を設定
新しい色に [ホワイト] を設定
[レイヤー] パネルで、[新規グループを作成] を [option (Alt)] キーを押しながらクリックします。
[option (Alt)] + クリック
[option (Alt)] + クリック
[新規グループ] ダイアログで、[名前] に「6px_0」を入力します。
[描画モード] に [乗算] を選択して、[OK]をクリックします。
[新規グループ] ダイアログを設定
[新規グループ] ダイアログを設定
[レイヤー] パネルで、[レイヤー 0] をドラッグして、「6px_0」グループフォルダーに格納します。
[レイヤー 0] をドラッグ → グループフォルダーに格納
べた塗りは背景色に使う!
レイヤーの最背面には、紙幣のような肖像画の「用紙」にあたるレイヤーを敷きます。作例では、基本設定として、[ホワイト] のベース色を設定しています。カラーの変更はもちろん、画像を敷くことも可能です。
ダブルクリックでベース色を変更
ダブルクリックでベース色を変更
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シャドウ・ハイライトを適用する

[レイヤー] パネルで、[レイヤー 0] を選択します。
[レイヤー 0] を選択
[レイヤー 0] を選択
[イメージ] メニューから、[色調補正] → [シャドウ・ハイライト] を選択します。[シャドウ・ハイライト] ダイアログで、[シャドウ] セクションの [量] に「20」% を入力します。
[ハイライト] セクションの [量] に「20」% を入力して、[OK] をクリックします。
[シャドウ・ハイライト] ダイアログを設定
[シャドウ・ハイライト] ダイアログを設定
シャドウ部分が明るく、ハイライト部分が暗くなりました。
元画像 → シャドウ・ハイライトを適用
階調を拾いやすくする操作!
[シャドウ・ハイライト] の適用は、素材画像の暗い部分が潰れたり、明るい部分が飛ばないようにするためのものです。作例では、4段階という限られた階調に分けるため、特にシャドウ部分のディテールがわかる程度に明るくしておきます。素材画像により適正値は違います。後で数値を変えることもできるので、暫定値として設定しておきましょう。

2階調化を適用する

[イメージ] メニューから、[色調補正] → [2階調化] を選択します。[2階調化] ダイアログで、[しきい値] に「51」を入力して、[OK] をクリックします。
[2階調化] ダイアログを設定
[2階調化] ダイアログを設定
カラー画像が、[しきい値 : 51] (51階調レベル) で2階調化されました。
カラー画像が2階調化された
カラー画像が2階調化された
白黒に分ける境界がしきい値!
[2階調化] の [しきい値] は、256階調レベルのうち、どの階調レベルを指定するかによって、白黒に分ける明度の範囲が変わります。0 階調レベルがシャドウ点、255 階調レベルがハイライト点で、初期設定の 128 階調レベルは中間点 (50% グレー相当が白黒に分ける境界) です。作例では4段階の階調に分けるので、255 ÷ 5 = 51 階調レベルを暫定値としました。
256階調レベルの [しきい値]
256階調レベルの [しきい値]

ハーフトーンでマスクする

[レイヤー] パネルで、「6px_0」グループフォルダーを選択します。
[レイヤーマスクを追加] をクリックします。
レイヤーマスクが作成されたことを確認します。
[効果] をクリック
[効果] をクリック
レイヤーマスクサムネールを [option (Alt)] キーを押しながらクリックします。
[option (Alt)] + クリック
[option (Alt)] + クリック
ドキュメントがレイヤーマスクモードに切り替わりました。
レイヤーマスクモードに切り替える
レイヤーマスクモードに切り替える
[編集] メニューから、[塗りつぶし] を選択します。[塗りつぶし] ダイアログで、[内容] に [パターン] を選択します。
[クリックでパターンピッカーを開く] をクリックし、パターンピッカーから [6px_0msk] を選択して、[OK] をクリックします。
パターンピッカーから [6px_0msk] を選択
パターンピッカーから [6px_0msk] を選択
レイヤーマスクがハーフトーン「6px_0msk」で塗りつぶされました。
「6px_0msk」で塗りつぶす
「6px_0msk」で塗りつぶす
[レイヤー] パネルで、「6px_0」グループフォルダーをクリックして、ドキュメントを画像描画モード (通常表示) に切り替えます。
画像描画モードに切り替える
画像描画モードに切り替える
2階調化された黒い領域が、ハーフトーンでマスクされました。
ハーフトーンでマスクされた (部分)
ハーフトーンでマスクされた (部分)
いちばん暗い部分のハーフトーン!
ハーフトーン「6px_0msk」は、水平の細い波線で作成されています。レイヤーマスクでは、白い領域を表示し、黒い領域を隠すので、ドキュメント上では、黒い領域に白い波線が表示されます。紙幣のような肖像画では、このいちばん暗い部分が起点となる重要箇所なので、現在が適切な状態でない場合は、効果の [シャドウ・ハイライト]、[2階調化] をそれぞれ調整してください。
元画像 → シャドウ領域のディテールを確認

グループを複製する

[レイヤー] パネルで、「6px_0」グループフォルダーの内容を折りたたみます。
「6px_0」グループフォルダーを [新規レイヤーを作成] にドラッグして、グループを複製します。
[新規レイヤーを作成] にドラッグ → グループを複製
同様にして、さらに2つを複製し、合計4つのグループを複製します。
グループ名を上から、「1px_45」、「2px_0」、「4px_90」に変更します。
グループ名を変更
グループ名を変更
「4px_90」グループフォルダーのレイヤーマスクサムネールを選択します。
STEP 5 と同様にして、ハーフトーン「4px_90msk」で塗りつぶします。
レイヤーマスクサムネールを選択 → ハーフトーン「4px_90msk」で塗りつぶす
同様にして、「2px_0」のレイヤーマスクサムネールをハーフトーン「2px_0msk」、「1px_45」のレイヤーマスクサムネールをハーフトーン「1px_45msk」で塗りつぶします。
上から2つのグループを非表示にします。
「4px_90」グループフォルダーを展開します。
「4px_90」グループを展開
「4px_90」グループを展開
サムネをクリックして塗りつぶし!
STEP 5 では、操作状況を確認するため、画像描画モード (通常表示) から、レイヤーマスクモードに切り替えて、ハーフトーンの塗りつぶしを行なっています。しかし、画像描画モードのままでも、レイヤーマスクは編集できます。レイヤーマスクサムネールの選択は、二重枠表示で確認できます。
編集できない → 編集できる

しきい値を変更する

[レイヤー] パネルで、[レイヤー 0] の効果から、[しきい値] をダブルクリックします。すると、[2階調化] ダイアログが表示されます。
[しきい値] をダブルクリック
[しきい値] をダブルクリック
[2階調化] ダイアログで、[しきい値] に「102」を入力して、[OK] をクリックします。
[しきい値] に「102」を入力
[しきい値] に「102」を入力
ハーフトーン「4px_90msk」が合成されたことを確認します。
ハーフトーン「4px_90msk」を合成 (部分)
ハーフトーン「4px_90msk」を合成 (部分)
同様にして、「2px_0」グループフォルダーを選択して表示し、[レイヤー 0] の効果から、[しきい値] をダブルクリックして、[しきい値 : 153] に変更します。
ハーフトーン「2px_0msk」を合成 (部分)
ハーフトーン「2px_0msk」を合成 (部分)
同様にして、「1px_45」グループフォルダーを選択して表示し、[レイヤー 0] の効果から、[しきい値] をダブルクリックして、[しきい値 : 204] に変更します。
ハーフトーン「1px_45msk」を合成 (部分)
ハーフトーン「1px_45msk」を合成 (部分)
効果を個別に調整!
ハーフトーンの効果は、[2階調化] の [しきい値] をわずかに調整するだけで大きく変わります。たとえば、ハイライト部分が白トビしている場合は、「1px_45」グループの [しきい値] を「204」から大きくします。
ハイライト部分が白トビ → [しきい値] を大きくする

ハーフトーンを緩和する

[レイヤー] パネルで、「1px_45」グループフォルダーを選択します。
「1px_45」グループを選択
「1px_45」グループを選択
[レイヤー] メニューから、[スマートオブジェクト] → [スマートオブジェクトに変換] を選択して適用します。
[スマートオブジェクトに変換] を適用
[スマートオブジェクトに変換] を適用
入れ子構造で非破壊編集!
グループフォルダー、または複数のレイヤーを束ねて、ひとつのスマートオブジェクトに変換すると、その内容を保持した単体のレイヤーにすることができます。たとえば、スマートオブジェクトの中にスマートオブジェクトを含む「入れ子構造」も可能です。編集方法はカンタンです。スマートオブジェクトをダブルクリックすると、その内容を含んだドキュメントが表示されます。編集後に保存すると、スマートオブジェクトに反映されます。
[レイヤー] メニューから、[ぼかし] → [ぼかし (ガウス)] を選択します。[ぼかし (ガウス)] ダイアログで、[半径] に「2.0」pixel を入力して、[OK] をクリックします。
[半径] に「2.0」pixel を入力
[半径] に「2.0」pixel を入力
同様にして、「2px_0」、「4px_90」、「6px_0」グループフォルダーにそれぞれ、[スマートオブジェクトに変換] と [ぼかし (ガウス)] を適用します。
STEP 7 (部分) → ハーフトーンを緩和 (部分)
紙幣のような肖像画が完成しました。※下の作例は 1280 x 1280 pixel で作成
紙幣のような肖像画が完成
紙幣のような肖像画が完成
モアレを防止するぼかし!
ハーフトーンを重ね合わせると、モアレ (干渉縞) が発生します。これは画像データに問題があるのではなく、規則正しいリズムから生じる視覚的な現象です。パソコンのディスプレイ (画素) とも干渉するので、ちょっと厄介ですね。モアレを防止する方法として、ハーフトーンの回転角度を調整する方法もありますが、いちばん手っ取り早いのは、画像をぼかして緩和させる方法です。繊細で緻密な線画の印象をキープしつつ、モアレを防止するぼかしの設定値を探りましょう!
モアレが発生した例 → [ぼかし (ガウス)] を適用

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