雲にタッチをつける
青空と雲の画像に、ブラシで描いたようなタッチをつけましょう。アニメの背景画では、絵画的な洞察のもと、生き生きとした雲が描かれています。写真の生っぽさを消すには、単純化が有効な手段です。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、レイヤー [ uf035-sky ] を選択します。
[ フィルター ] メニューから、[ フィルターギャラリー ] を選択します。[ フィルターギャラリー ] 操作パネルで、[ アーティスティック ] – [ ドライブラシ ] を選択します。
[ ドライブラシ ] ダイアログで、[ ブラシサイズ ] に [ 2 ]、[ ブラシの細かさ ] に [ 10 ]、[ テクスチャ ] に [ 3 ] を入力します。
[ OK ] をクリックします。
ドライブラシのコツ!
[ ドライブラシ ] の設定は、まず、[ ブラシサイズ ] を調整しましょう。[ ブラシサイズ ] は、ピクセルをブレンドする大きさを調整するもので、数値が大きくなるほど、単純化される範囲が広くなり、大きなブラシで描いたようなタッチになります。初期設定は [ 2 ] です。
[ ブラシの細かさ ] は、ブラシを強調するエッジの幅を調整するもので、数値が大きくなるほどエッジの幅が小さくなり、適用画像のディテールを残せます。初期設定は [ 8 ] です。
[ テクスチャ ] は、ブラシのハロー (光りがぼやけて見える現象) を調整するもので、数値が大きくなるほどハローが強くなり、ランダムなタッチが現れます。初期設定は [ 1 ] です。
ジャギーを緩和
[ ドライブラシ ] の効果は、ジャギーが発生するので、少し緩和しましょう。
【操作方法】
[ フィルター ] メニューから、[ ぼかし ] – [ ぼかし (ガウス) ] を選択します。[ ぼかし (ガウス) ] ダイアログで、[ 半径 ] に [ 0.5 ] pixel を入力します。
[ OK ] をクリックします。
コントラストの調整
雲の影を強調しておきましょう。コントラストの調整には、[ レベル補正 ] を使用します。
【操作方法】
[ イメージ ] メニューから、[ 色調補正 ] – [ レベル補正 ] を選択します。[ レベル補正 ] ダイアログで、[ 出力レベル ] に [ 32 / 255 ] を入力します。
[ 入力レベル ] に [ 0 / 0.60 / 255 ] を入力します。
[ OK ] をクリックします。
青空と雲のコントラストを強調することができました。
白トビに注意!
安易にコントラストを強めると、ハイライト部分が白トビしてしまうので注意しましょう。いちばん暗い領域を明るくすることで、中間調を広く取ることができます。中間調のアンカーを、ハイライト側に寄せることで、コントラストを強くすることができます。
グラデーションで塗りつぶし
青空と雲の素材画像は、見上げた角度で撮影されているため、上下の濃淡差が少ないです。下部を明るくしながら、青色を少し濁らせるグラデーションを設定しましょう。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、[ 塗りつぶしレイヤーを新規作成 ] をクリックして、メニューから、[ グラデーション ] を選択します。
[ グラデーションで塗りつぶし ] ダイアログで、[ クリックでグラデーションを編集 ] をクリックします。
[ グラデーションエディター ] ダイアログで、以下のグラデーションを設定します。
[ OK ] をクリックします。
【設定値】
[ 位置 : 0 % ] [ 不透明度 : 100 % ]
[ 位置 : 100 % ] [ 不透明度 : 0 % ]
[ 位置 : 0 % ] [ カラー : H : 30°/ S : 100 % / B : 20 % ]
[ 位置 : 100 % ] [ カラー : H : 30°/ S : 100 % / B : 20 % ]
[ OK ] をクリックします。
[ レイヤー ] パネルで、描画モードに [ スクリーン ] を選択します。
青空と雲の画像に、タッチとグラデーションを加えることができました。
カラーで明るくする
描画モード [ スクリーン ] は、基本色の明度に合成色の明度が足されます。たとえば、基本色に明度 0 % のブラック、合成色に明度 100 % のホワイトが合成されると、結果色は明度 100 % です。
作例では、グラデーションのカラーに、明度 20 % を設定しているので、そのカラー自体は暗いブラウンですが、描画モード [ スクリーン ] で合成すると、基本色である青空のカラーが、20 % 明るくなるのです。
フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。