幻想的な色に調整する
作成した霧は、階調の調整と、白黒の雲模様で作成されているため、あまり色が感じられません。これを幻想的な色に調整しましょう。ここでは、色調の調整に [ レベル補正 ] を使用します。原理は、霧の発生に使用したときと同じく、階調幅の伸縮です。
色調を変える設定
[ レイヤー ] パネルで、[ 塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成 ] をクリックして、メニューから、[ レベル補正 ] を選択します。
[ プロパティ ] パネルで、チャンネルに、[ レッド ] を選択します。
[ 出力レベル ] に、[ 16 / 255 ] を入力します。
同様にして、チャンネル [ グリーン ] に、[ 16 / 255 ] を入力します。
チャンネル [ ブルー ] に、[ 16 / 192 ] を入力します。
色調を変えることができました。
なぜ黄色くなるの?
レベル補正による色調の調整は、RGB チャンネルのバランスを崩すことで行います。これらのバランスは、補色の関係にあります。
ここでは、チャンネル [ ブルー ] の、ハイライトの出力値を、極端に低く設定しました。その結果、白色がブルーの補色である黄色として出力されるようになります。
グラデーションを設定
黄色の色調に、青色のグラデーションを重ねましょう。[ グラデーション ] 塗りつぶしレイヤーは、カラーバーの位置に色を設定できるので、素材画像に適した構図の、グラデーションが簡単に作成できます。
[ レイヤー ] パネルで、[ 塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成 ] をクリックして、メニューから、[ グラデーション ] を選択します。
[ グラデーションで塗りつぶし ] ダイアログで、[ クリックでグラデーションを編集 ] をクリックします。
[ グラデーションエディター ] ダイアログで、次のグラデーションを設定します。
[ OK ] をクリックします。
【設定値】
[ 位置 : 0 % ] [ 不透明度 : 100 % ]
[ 位置 : 100 % ] [ 不透明度 : 100 % ]
[ 位置 : 0 % ] [ カラー : H : 205°/ S : 37 % / B : 95 % ]
[ 位置 : 20 % ] [ カラー : H : 0°/ S : 0 % / B : 100 % ]
[ 位置 : 100 % ] [ カラー : H : 198°/ S : 100 % / B : 90 % ]
[ グラデーションで塗りつぶし ] ダイアログで、[ OK ] をクリックします。
[ レイヤー ] パネルで、描画モードに、[ 乗算 ] を選択します。
[ 不透明度 ] に、[ 35% ] を入力します。
風景写真に霧を発生させて、幻想的な色調にすることができました。
補色の組み合わせ!
幻想的な色は、補色の組み合わせを設定します。作例では、雄大なスケールを感じる黄色と、荘厳で静寂さを感じる青色を組み合わせました。ベースが鮮やかな素材では、彩度を抑えて、モノトーンにする工夫も必要です。
フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。