【Photoshop講座】木版や金属板に文字を彫り込んだ効果は、背景に敷くテクスチャの明暗によって簡単に作成できます。これは影によって引き起こされる「視覚錯視」を利用したもので、ポイントは光の入射角に対して影を付けることです。テキストレイヤーにレイヤースタイルを適用して、文字型で彫り込まれたような効果をつくりましょう。
段差に明暗を付ける!
窪みと出っ張りの効果は、ほとんど同じ原理で行われます。視覚心理としては、光の入射角が上で影が下だと出っ張りに見え、その逆だと窪みに見えます。
このような「視覚錯視」をよりスムーズに導入させるには、窪んでいる面を少し暗くすることで距離感を出し、出っ張っている面が近くにあると認識させることです。
文字型で彫り込んだ効果をつくる
これから行う操作は、入力した文字型でテクスチャを窪ませる方法です。リアルな彫塑風ではなく、可読性を優先させたグラフィック表現にこだわります。

作成後の拡大・縮小や書体変更などの編集が行える点においても、初級ユーザーの方にとって最適な教材となることでしょう。
フォントを設定する
効果を確認しやすくするため、文字の背景に画像を使用します。素材画像をダウンロードして開きましょう。素材画像は [幅 : 1280 pixel]、[高さ : 720 pixel] 、[解像度 : 72 pixel/inch]、[モード : RGB カラー] を使用しています。

素材画像を開く
[ツール] パネルから、[横書き文字ツール] を選択します。オプションバーで、[フォントファミリーを設定]、[フォントスタイルを設定] に任意のフォントを設定します。
[フォントサイズを設定] に「185 pt」を入力します。

任意のフォントを設定!
作例では、「Swiss 721 BT Roman」を設定していますが、フォント環境はご使用のパソコンによって異なります。リスト表示される任意のフォントを設定してください。
[アンチエイリアスの種類を設定] に [滑らかに] を選択します。
[整列オプション] に [テキストの左揃え] を選択します。
[テキストカラーを設定] のカラーボックスをクリックし、[カラーピッカー] ダイアログで、[ブラック] を設定して、[OK] をクリックします。
![[テキストカラーを設定] に [ブラック] を設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2017/05/txe09_01_03.png)
素材に応じたカラーを設定!
ここでは [テキストカラーを設定] に [ブラック] を設定していますが、たとえば、背景にする素材画像が明るく鮮やかな色の場合は、その色系統の暗いカラーに設定してください。
これにはテキスト部分の明度を落とす役割があり、彩度が低く暗い素材画像であれば [ブラック] で対応できますが、彩度が高く明るい素材画像では、薄汚れたような印象になるからです。
設定のコツは、色の3属性である「色相」、「彩度」、「明度」のうち、「明度」だけの数値を下げることです。