基本がわかる!色調補正の考え方

基本がわかる!色調補正の考え方「ツールの種類とヒストグラムの読み方」

基本がわかる!色調補正の考え方
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CHAPTER-02

色調補正3つのポイント

物体の形は陰影によって認識されます。光があって影があるからこそ、その物体の形や素材が感じられるワケです。そのため、主な色調補正ツールのコントロールポイントは、「シャドウ」、「中間調」、「ハイライト」という、3つの領域に分けられています。
色調補正3つのポイント
色調補正3つのポイント
色調補正を考える最も簡単な方法は、球体の陰影をイメージすることです。簡略的な図形でもかまいませんが、写真素材を扱うなら、陶器や石膏でできた、少しリアルな球体を眺める感覚の方がいいです。陰影をつくり出す光には、輝きや環境光も含まれていて、それらの階調の違いが、形状や質感の違いを表現しているのです。
画像を補正する目的の多くは、画像をくっきり鮮明な印象にするため、コントラストを高めたいと思うでしょう。では、コントラストとは、どこをどのように調整すれば表現できるのでしょうか? そのポイントを主な色調補正ツールの原理から探りましょう。
原理を早く知るために
画像を補正する目的を大きく分類すると、明るさやコントラストを調整する「階調の補正」と、色のバランスを調整する「色調の補正」に分けられますが、色調補正ツールの原理を早く知るためには、まず、「階調の補正」を理解することから始めましょう。
基本がわかる!コントラストのつけ方
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シャドウ領域の調整

画像内の最も暗い領域を黒に近付くよう調整します。シャドウの領域は、256 階調の数値で示すと、0 レベルが最小値で、これを「シャドウ点」、または、「黒点」といい、シャドウ点から 128 レベルの中間点までを範囲とします。注意点は、黒ツブレを起こさないようにします。
シャドウ領域の調整
つぶさない
シャドウ領域の調整
つぶさない

中間調の調整

シャドウとハイライトの中間値でバランスを調整します。中間値がシャドウに近付くと全体が明るくなり、ハイライトに近付くと全体が暗くなります。中間調の領域は、256 階調の数値で示すと、128 レベルが中間値で、これを「中間点」、または、「中点」といい、シャドウ点からハイライト点までを範囲とします。注意点は、色かぶりや階調のねじれがないようにします。
中間調の調整
ねじらない
中間調の調整
ねじらない

ハイライト領域の調整

画像内の最も明るい領域を白に近付くよう調整します。ハイライトの領域は、256 階調の数値で示すと、255 レベルが最大値で、これを「ハイライト点」、または、「白色点」といい、ハイライト点から 128 レベルの中間点までを範囲とします。注意点は、スペキュラハイライト (光源などの輝き部分) を除き、白トビを起こさないようにします。
ハイライト領域の調整
とばさない
ハイライト領域の調整
とばさない
コントラストの調整は、画像内の最も暗い階調を「黒色」とし、最も明るい階調を「白色」にする階調範囲で、中間点のバランスを暗くしたり、明るくすることで、画像をくっきり鮮明な印象にします。
黒ツブレと白トビを回避する
黒ツブレ、白トビとは、階調を含んでいない真っ黒な領域や、真っ白な領域を言います。画像を補正する最低条件として、これらを回避することは、一般的な常識とされています。さまざまな階調を含む写真に、黒ツブレや白トビがあると、その部分だけが単一の面になり不自然です。
黒ツブレを起こした例
白トビを起こした例
黒ツブレを起こした例
白トビを起こした例
たとえば、コントラストを高くした人物の額が、白色で丸く抜け落ちてしまっているような現象です。際立ったコントラストを好まれる風潮もありますが、 このような補正では、後の修復も不可能になりますので、最善の注意を払わなければなりません。
まとめ
色調補正のポイントは、シャドウ、中間調、ハイライトにあり、つぶさないねじらないとばさないが、それぞれの注意点になります。
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