写真を加工する!パソコン画面から飛び出したウミガメ

写真を加工する!パソコン画面から飛び出したウミガメ

【Photoshop講座】はめ込み合成の一部をフレームの外にはみ出させるだけで、トリッキーな効果が得られます。それはまるで、ノートパソコンの画面から飛び出してきたように感じます。チュートリアルの主なポイントは、自然な切り抜きと立体的に見せる光と影です。ノートパソコンの画面の内側と外側で変化する、明るさや色調にこだわって、複雑な作業を効率的に組み立てましょう。


内側と外側の変化!
トリッキーな効果を得るには、オブジェクトを自然に切り抜くことはもちろんですが、それ以上に光と影の演出が重要です。作例では、海中を泳ぐウミガメを使用しているので、画面の外側に切り出してみると、元の青味がかった影が目立ってしまいます。画面の内側と外側では、環境光の色が変わるワケです。画面から飛び出した部分の色調を変える技を身につけましょう。
画像合成の総合テクニック
これから行う操作は、パソコン画面に素材画像をはめ込み、主体の一部を画面の外側へはみ出させることにより、飛び出したような効果をつくり出す方法です。オブジェクトの選択や切り抜き、トリッキーなレイヤーマスクの作成、特定の色域を軽減させるカラーの調整方法など、画像合成に関わるさまざまなテクニックが盛り込まれています。
元画像→背景を違和感なく合成する
合成画像をひとつにまとめる
素材画像をダウンロードして開きます。サンゴ礁とウミガメ、ノートパソコンの素材画像は、[幅:1280 pixel]、[高さ:800 pixel] 、[解像度:72 pixel/inch]、[モード:RGBカラー]を使用しています。
サンゴ礁とウミガメの素材画像を開く
サンゴ礁とウミガメの素材画像を開く
ノートパソコンの素材画像を開く
ノートパソコンの素材画像を開く
サンゴ礁とウミガメの素材画像を切り抜きレイヤーとして合成したいので、ノートパソコンの素材画像にコピー&ペーストして、それぞれの画像をひとつのドキュメントにまとめます。サンゴ礁とウミガメの素材画像を表示し、[command(Ctrl)]+[A]キーを押して、すべてを選択、[command(Ctrl)]+[C]キーを押して、コピーします。ノートパソコンの素材画像を表示します。
合成画像を複数のレイヤーで構成するので、それらをひとつにまとめる[グループ]をあらかじめ作成しておきます。[レイヤー]パネルで、[新規グループを作成]をクリックして、[グループ 1]を作成し、描画モードに[通常]を選択します。
[グループ 1]を作成
[グループ 1]を作成
[command(Ctrl)]+[V]キーを押して、コピーしたサンゴ礁とウミガメの素材画像をペーストします。
合成画像をペースト
合成画像をペースト
[通過]と[通常]の違い!
グループの描画モードの初期設定は[通過]です。これはレイヤーの描画モードの初期設定である[通常]と同じ働きをするものですが、グループ外にも影響を及ぼします。なので[通過]という差別化が行われています。グループ内の描画モードや調整レイヤーなどの効果を、背面のレイヤーに影響させたくない場合は[通常]を選択します。
基本がわかる動画を配信中!
チャンネル登録をお願いします!
合成画像の位置を調整する
合成する背景の位置をわかりやすくするため、ペーストしたサンゴ礁とウミガメのレイヤーを半透明にします。[レイヤー]パネルで、[不透明度]に「50%」を設定します。
[不透明度]に「50%」を設定
[不透明度]に「50%」を設定
[command(Ctrl)]+[T]キーを押して、変形のバウンディングボックスを表示します。オプションバーで、[基準点の位置]を中央上に設定し、[縦横比を固定]をクリックして、[水平比率を設定]に「75%」を入力します。
[水平比率を設定]に「75%」を入力
[水平比率を設定]に「75%」を入力
変形のバウンディングボックスを表示→合成画像を縮小
バウンディングボックス内をドラッグして、パソコン画面との位置が調整できたら、[enter]キーを押して、変形を確定します。
ドラッグして合成画像の位置を調整する
ドラッグして合成画像の位置を調整する
不透明度は暫定的!
[不透明度]の設定は、合成する位置を確認するための暫定的なものです。パソコン画面との位置が調整できたら、元の状態に戻しましょう。オプションバーで、[不透明度]に「100%」を設定します。
[不透明度]に「100%」を設定
[不透明度]に「100%」を設定
基本がわかる動画を配信中!
チャンネル登録をお願いします!
ウミガメの選択範囲を作成する
[ツール]パネルから、[クイック選択ツール]を選択します。オプションバーで、[自動調整]のチェックマークを外します。
[自動調整]を無効にする
[自動調整]を無効にする
[自動調整]を使い分けよう!
[自動調整]にチェックマークを入れると、[クイック選択ツール]で検知したピクセルに類似した領域まで選択範囲を拡げます。作例の場合、求める境界線が滑らかで、対象に背景も含まれているので、[自動調整]によりランダムなエッジになることを防ぐため、チェックマークを外しておきます。
[自動調整]が有効の場合→[自動調整]が無効の場合
ウミガメの領域をドラッグし、大まかな選択範囲を作成します。
ドラッグして選択→大まかな選択範囲を作成
[クイック選択ツール]で大まかな選択範囲が作成できたら、不要な部分が選択されていないか確認して修正を行いましょう。選択範囲から一部削除したい場合は、オプションバーで[現在の選択範囲から一部削除]をクリック、または[option(Alt)]+ドラッグして削除します。
選択範囲を修正する
選択範囲を修正する
飛び出した部分を重視する!
作例では、画面から飛び出した部分を重視した選択範囲を作成しています。背景のサンゴ礁に隣接する部分は、効率化のため細部の調整を行なっていません。しかし、その他の領域は色調補正に用いるで、大まかな選択範囲は必要です。ウミガメの頭部から後部に行くほど、重要度を低くしてもかまいません。
基本がわかる動画を配信中!
チャンネル登録をお願いします!
切り抜きの境界線をなじませる
[選択範囲]メニューから、[選択範囲を変更]→[縮小]を選択し、[選択範囲を縮小]ダイアログで、[縮小量]に「1」pixel を設定して、[OK]をクリックします。
[縮小量]に「1」pixelを設定
[縮小量]に「1」pixelを設定
[選択範囲]メニューから、[選択範囲を変更]→[境界をぼかす]を選択し、[境界をぼかす]ダイアログで、[ぼかしの半径]に「1」pixel を設定して、[OK]をクリックします。
[ぼかしの半径]に「1」pixelを設定
[ぼかしの半径]に「1」pixelを設定
境界線を変更する!
[クイック選択ツール]などで選択した境界線は、ピクセル単位で明確に選択されるのではなく、滑らかに見えるように、ひとつひとつのピクセルの透明度が違います。これを「アンチエイリアス」といい、切り抜いた境界線には不要な白フチや黒フチが残ることが多いです。この不要な部分を取り除き、目立たないようにするため、「1」pixel の[選択範囲を縮小]と[境界をぼかす]を加えます。
[command(Ctrl)]+[J]キーを押して、選択範囲をコピーした[レイヤー 2]を作成し、[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]を非表示にします。
[レイヤー 2]を作成
[レイヤー 2]を作成
サンゴ礁とウミガメの素材画像から、ウミガメだけを切り抜くことができました。
選択範囲を変更→ウミガメを切り抜くことができた
[レイヤー]メニューから、[マッティング]→[フリンジ削除]を選択し、[フリンジ削除]ダイアログで、[幅]に「1」pixel を設定して、[OK]をクリックします。
[幅]に「1」pixelを設定
[幅]に「1」pixelを設定
切り抜きの境界線に黒フチが残る→[フリンジ削除]を適用
切り抜きレイヤーの境界線を自然になじませることができました。
境界線を自然になじませることができた
境界線を自然になじませることができた
フリンジ削除とは?
[フリンジ削除]をひとことで言えば、境界線を削る機能です。しかし、それは単純な機能ではありません。境界線の色を自動的に判断し、目立たない色や透明度に置き換えているからです。境界線の外側が異なる色で構成されている場合に適していて、[幅]の設定値で一律に削除するので、切り抜きのシルエットが維持できます。
不要な部分をマスクする
[ツール]パネルで、[クイックマスクモードで編集]をクリックします。
[クイックマスクモードで編集]をクリック
[クイックマスクモードで編集]をクリック
[ツール]パネルで、[グラデーションツール]を選択し、オプションバーで[線形グラデーション]を選択します。
[線形グラデーション]を選択
[線形グラデーション]を選択
切り抜きレイヤーのウミガメが、パソコン画面に溶け込む領域にクイックマスクを作成します。ウミガメの甲羅の左端を開始点とし、甲羅の中央を終了点とするグラデーションを作成します。[shift]キーを押しながらドラッグします。
パソコン画面に溶け込む領域にクイックマスクを作成
パソコン画面に溶け込む領域にクイックマスクを作成
[ツール]パネルで、[画像描画モードで編集]をクリックします。
[画像描画モードで編集]をクリック
[画像描画モードで編集]をクリック
すると、クイックマスク領域外に選択範囲が作成されます。
クイックマスクモード→画像描画モード
[レイヤー]パネルで、[レイヤーマスクを追加]をクリックします。すると、選択範囲外の領域を隠すレイヤーマスクが自動的に作成されます。
[レイヤーマスクを追加]をクリック
[レイヤーマスクを追加]をクリック
ウミガメをパソコン画面に溶け込ませたい不要な部分をマスクすることができました。
不要な部分をマスクすることができた
不要な部分をマスクすることができた
クイックマスクとは?
クイックマスクは、赤い半透明のオーバーレイを重ね、一時的なマスクとして、選択範囲が編集できる表示モードです。通常の画像描画モードと同じく[ブラシツール]、[消しゴムツール]などで編集できます。クイックマスクモードに切り替える際に、あらかじめ選択範囲を作成しておくと、選択範囲外の領域を自動的に塗りつぶすことができます。
画面の領域に切り抜く
[ツール]パネルから、[多角形選択ツール]を選択し、オプションバーで、[新規選択]をクリックします。
[新規選択]をクリック
[新規選択]をクリック
パソコン画面の四隅をクリックして、選択範囲を作成します。
パソコン画面の四隅をクリック→選択範囲を作成
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]を表示・選択し、[レイヤーマスクを追加]をクリックして、レイヤーマスクを作成します。
[レイヤーマスクを追加]をクリック
[レイヤーマスクを追加]をクリック
サンゴ礁の画像をパソコン画面の領域に切り抜くことができました。
画面の領域に切り抜くことができた
画面の領域に切り抜くことができた
多角形選択ツールの使い方!
[多角形選択ツール]は、クリックした点と点をつないで、直線で構成される多角形の選択範囲を作成します。選択範囲の終了は開始点に戻りクリックします。開始点にマウスカーソルを重ねると、カーソルの右下に「○」が加わります。カーソルの表示が変わった箇所でクリックすると、開始点と終了点が結ばれます。開始点から離れた箇所でダブルクリックすると、開始点と終了点の間が直線で結ばれます。
オブジェクトのトーンを整える
ウミガメの飛び出している部分を明るく見せるため、はめ込み画面のトーンを暗くします。[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]を選択します。[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックして、メニューから、[トーンカーブ]を選択して、[トーンカーブ 1]を作成します。
[トーンカーブ 1]を作成
[トーンカーブ 1]を作成
トーンカーブのシャドウ領域をクリックして、新しいポイントを追加します。[入力]に「64」、[出力]に「48」を入力します。
新しいポイントを追加して設定
新しいポイントを追加して設定
ハイライト点のポイントを選択して、[入力]に「255」、[出力]に「231」を入力します。
ハイライト点を設定
ハイライト点を設定
はめ込み画面のトーンを全体的に暗くして、ウミガメの飛び出している部分を対比させることができました。
STEP 6→はめ込み画面のトーンを調整する
全体的に暗く整えるカーブ!
[トーンカーブ]の対角線は、明るくする領域と暗くする領域の境界線です。調整するカーブをどの領域に置くかでコントロールします。通常の明度調整では、ハイライト点、シャドウ点を固定し、中間点のみをカーブさせますが、作例のように前景と背景を対比させる場合は、最も明るい部分を少し暗く設定します。設定値の目安は、約10%暗くするという考え方なので、[出力]に「231」を設定しています。
飛び出した部分の色調を変える
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 2]を選択します。[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから、[カラーバランス]を選択して、[カラーバランス 1]を作成します。
[カラーバランス 1]を作成
[カラーバランス 1]を作成
[カラーバランス]ダイアログで、[クリッピングマスクを作成]をクリックします。ハイライト部分の青みがかった色を抑えるように調整します。[階調]に[ハイライト]を選択し、[シアン-レッド]に「+10」、[マゼンタ-グリーン]に「-10」、[イエロー-ブルー]に「-10」を設定します。
[ハイライト]を設定
[ハイライト]を設定
シャドウの部分の青みがかった色を抑えるように調整します。[階調]に[シャドウ]を選択し、[シアン-レッド]に「+20」、[マゼンタ-グリーン]に「-10」、[イエロー-ブルー]に「-10」を設定します。
[シャドウ]を設定
[シャドウ]を設定
ウミガメの飛び出した部分の色調を変えることができました。
STEP 7→飛び出した部分の色調を変える
明るさで対照的な調整!
[カラーバランス]の調整で、最も影響が出やすいのは[中間調]です。[中間調]は、シャドウ領域からハイライト領域までの幅広い階調を対象にします。作例では、中間調のバランスを維持させながら、ハイライト点とシャドウ点に基点を置き、青みがかった色を抑えるように調整しています。
ウミガメの下に影をつける
[レイヤー]パネルで、[背景]を選択し、[新規レイヤーを作成]をクリックして、[レイヤー 3]を作成します。
[レイヤー 3]を作成
[レイヤー 3]を作成
[ツール]パネルで、[ブラシツール]を選択し、オプションバーで、[ブラシパネルの切り替え]をクリックして、[ブラシ]パネルを表示します。
[ブラシパネルの切り替え]をクリック
[ブラシパネルの切り替え]をクリック
[ブラシ]パネルで、[直径]に「500 px」、[角度]に「-10°」、[真円率]に「25%」、[硬さ]に「50%」を設定します。
[ブラシ]パネルを設定
[ブラシ]パネルを設定
ドキュメント内でウミガメの下を一度だけクリックします。すると、[ブラシ]パネルで設定したブラシ先端のシェイプ(ブラシの形状と角度)で塗りつぶすことができます。
ウミガメの下をワンクリック→ブラシ先端のシェイプで塗りつぶすことができた
[レイヤー]パネルで、[不透明度]に「40%」を設定し、影の濃度を調整します。
[不透明度]に「40%」を設定
[不透明度]に「40%」を設定
パソコン画面から飛び出したウミガメが完成しました。
パソコン画面から飛び出したウミガメが完成した
パソコン画面から飛び出したウミガメが完成した
ワンクリックで描画する!
飛び出したウミガメの存在感を出す影の作成は、形状と角度を吟味したブラシを、ワンクリックで描画するのがコツです。クリックするポイントは、ウミガメの胴体の部分に[ブラシツール]のカーソルを重ね、そのまま垂直に下ろしたノートパソコン上です。

スポンサード リンク