基本がわかる!画像解像度の設定

基本がわかる!画像解像度の設定「物理的な大きさとの関係」

基本がわかる!
画像解像度の設定
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CHAPTER-04

アップサンプリング

画像のピクセル数を増やすことを「アップサンプリング」といいます。一般的には「解像度を上げる」と呼ばれる操作にあたります。アップサンプリングは、画質が劣化するのでオススメはできません。
アップサンプリングの適用結果
低い解像度から高い解像度にアップサンプリングする場合、[ 再サンプル ] の [ 補間方法を選択 ] に [ ディテールを保持 2.0 ] を選択すると、[ ノイズを軽減 ] オプションが表示されます。
高解像度化のテクノロジー!
Photoshop CC 2018 から追加された、ピクセル情報の補間方法 [ ディテールを保持 2.0 ] は、人工知能によるアルゴリズムで画質の劣化を抑え、ジャギーのない滑らかな輪郭が再現できます。
1600%のアップサンプリングで高解像度化
低解像度から高解像度に変換する方法

ドキュメントサイズを確認

アップサンプリングを行う前に、必ず、ドキュメントサイズを確認しておきましょう。物理的な大きさを基準とする場合は、その単位を選択しておきます。
【操作方法】
対象のドキュメントを開き、[ イメージ ] メニューから、[ 画像解像度 ] を選択します。[ 画像解像度 ] ダイアログで、[ 幅 ]、[ 高さ ]、[ 解像度 ] の数値を確認してください。
[ イメージ ] – [ 画像解像度 ]
[ option ( Alt ) ] + [ command ( Ctrl ) ] + [ I ]
ドキュメントサイズを確認
ドキュメントサイズを確認
A4見開きサイズに拡大
アップサンプリングは、画質が劣化するので推奨されませんが、新しいテクノロジーを使用して、2倍、4倍といった拡大率で適用することが望ましいです。
作例の場合、必要なサイズが、約1.5倍の拡大率なので、本来は2倍のアップサンプリングを行うべきです。しかし、ここではあえて、商業印刷の A4 見開き ( A3 ) サイズに拡大して、仕上がりがどのように変化するのかを検証します。

ドキュメントサイズを変更

アップサンプリング後のドキュメントサイズに変更しましょう。ここでは、A4 見開きサイズを想定しているので、塗り足しを含めた数値を入力します。
【操作方法】
[ 再サンプル ] を有効にします。
[ 縦横比率を固定 ] が設定されていることを確認してください。
[ 幅 ]、または、[ 高さ ] にアップサンプリングする数値を入力します。
ドキュメントサイズを変更
ドキュメントサイズを変更
大きくする短辺を計算
アップサンプリングする大きさは、仕上げサイズに収まる数値を計算しましょう。元画像と仕上げサイズの比率が異なるため、ここでは短辺の [ 高さ ] に [ 303 ] mm を入力しました。これは、上下 3 mm ずつの塗り足しを含む、A3 サイズ ( 297 + 3 + 3 = 303 ) の高さです。

解像度を変更

幅、高さが設定できたら、解像度を変更しましょう。ここでは、350 ppi を入力します。[ 再サンプル ] が有効の場合、解像度を変更すると、アップサンプリングが行われます。
【操作方法】
[ 解像度 ] にアップサンプリングする数値を入力します。
すると、[ 画像サイズ ] と [ 寸法 ] の数値が大きくなります。[ 画像サイズ ] は [ 34.9M ] から [ 75.1M (変更前は 34.9M ) ] に大きくなり、[ 寸法 ] は「 4288 px x 2848 px 」から「 6286 px x 4175 px 」に増えました。
[解像度]に新しい数値を入力
[ 解像度 ] に新しい数値を入力
[画像解像度]変更前・[画像解像度]変更後
350ppiは印刷の推奨値
アップサンプリングに用いた [ 解像度 ] の数値は、日本における商業印刷の一般的な推奨値です。これは使用されているスクリーン線数 175 lpi の2倍、面積比に対して4倍という定義から求められています。

補間方法を選択

補間方法の選択は、解像度を変更する前が望ましいですが、ここでは便宜上、後回しにしています。アップサンプリングする場合は、[ ディテールを保持 2.0 ] を選択します。
【操作方法】
[ 再サンプル ] セクションの [ 補間方法を設定 ] をクリックして、メニューから [ ディテールを保持 2.0 ] を選択します。
すると、[ ノイズを軽減 ] のスライダーと入力ボックスが表示されます。[ ノイズを軽減 ] に、[ 20 ] % を入力します。初期設定
補間方法を選択
補間方法を選択
ノイズを軽減の適正値は?
[ ノイズを軽減 ] は、[ フィルター ] – [ ノイズ ] – [ ノイズを軽減 ] と同様のアルゴリズムによって、ノイズを軽減させる機能です。
設定値を大きくすると、適用度が大きくなります。初期設定は [ 20 ] % です。素材画像により適正値は異なりますが、あまり大きくすると不自然さが出るので、20 〜 50% くらいがオススメです。
すべての設定ができたら、[ OK ] をクリックします。
アップサンプリングの適用結果
アップサンプリングの適用結果
適用には注意が必要!
高解像度のアップサンプリングなので、Web 上ではその違いがわかりにくいですが、繊細な髪の毛に歪な段差が生じたものの、画像全体から受ける印象は、約1.5倍に拡大したとは思えない、美しい仕上がりでした。
アップサンプリングは画質が劣化するので、原則的には行わない方が無難です。しかし、必要な場面に遭遇したら、[ 再サンプル ] の [ 補間方法を設定 ] で、[ ディテールを保持 2.0 ] を試してみましょう。
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