【Photoshop基本操作】画像の歪みは、広角レンズで撮影した場合に多く現れます。水平と垂直が定まっていないこともあるので、傾きだけの補正で、トリミングすることは難しいです。[ レンズ補正 ] を使用すると、遠近の収束と歪みが同時に設定できます。一度の操作で、補正から切り抜きまでを実行しましょう。
ゆがみからのパースペクティブ!
気になるパースから直したい! と思うのは当然です。しかし、そこをグッとこらえて、まず、広角レンズ特有の、膨らんだ歪みを補正しましょう。
その理由は、たとえば、対象の画像が大きく傾いていたり、水平や垂直の基準がわかりにくい場合などは、行き過ぎたパースを、設定してしまいがちになるからです。
[ レンズ補正 ] では、[ 歪曲収差 ] が膨らんだ歪みをコントロールするところです。歪みを十分に整えてから、控えめなパース修正を心がけておくと、自然な仕上がりが期待できるし、作業効率も向上します。
遠近の収束と歪みを補正
これから行う操作は、画像の歪みを補正して切り抜く方法です。広角レンズ特有の膨らんだ歪みは構造的なもので、画角が広くなればなるほど、膨らんだ歪み [ 歪曲収差 ] は大きくなります。

しかし、遠近で収束する現象 (パースペクティブ) は、どんな場合にでも起こることです。そのため、これらを切り離して考える方が得策です。[ レンズ補正 ] で、歪みと遠近の収束を修正しましょう。
スマートオブジェクトに変換する
素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[ 幅 : 1280 pixel ]、[ 高さ : 853 pixel ] 、[ 解像度 : 72 pixel/inch ]、[ カラーモード : RGB カラー ] を使用しています。

素材画像を開く
photo by vataldo91
高解像度を選ぶ!
[ レンズ補正 ] は、画像の変形によって補正する機能です。つまり、適用後の画質は、元画像よりも劣化します。作例では、低解像度の素材画像を使用していますが、なるべく高解像度の素材画像を選びましょう。
[ フィルター ] メニューから、[ スマートフィルター用に変換 ] を選択して適用します。[ レイヤー ] パネルで、スマートオブジェクトに変換されたことを確認してください。

スマートオブジェクトを確認
スマートオブジェクトとは?
[ スマートフィルター用に変換 ] を適用すると、選択したレイヤーが「スマートオブジェクト」に変換されます。スマートオブジェクトにすることで、適用後の色調補正やフィルターが再編集できます。

警告アラート
[ 背景 ] に適用すると、レイヤー名が [ レイヤー 0 ] に変更され、[ 背景 ] では設定できなかった [ 描画モード ] や [ 不透明度 ]、[ 位置をロック ] などが有効になります。

フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。