高度で質感を決める
ベベルとエンボスの効果を、基本設定の [ 高度 ] から紐解いていきましょう。[ 高度 ] の設定値を大きくするだけで、光沢のあるプラスチックの質感になります。
【操作方法】
[ レイヤースタイル ] ダイアログで、[ 陰影 ] セクションの [ 高度 ] に、[ 30 ]° を入力します。
ゴムの質感に最適
[ 高度 ] の基本設定は [ 30 ]° です。これは [ サイズ ] で設定したエッジの幅に、均等な階調が分布できる標準的な設定値です。[ ベベルとエンボス ] の効果がいちばん出やすい設定値です。光沢がないクレイやゴム、石膏などの質感を出すことに適しています。
[ レイヤースタイル ] ダイアログで、[ 陰影 ] セクションの [ 高度 ] に、[ 45 ]° を入力します。
皮革の質感に最適
光源の立体的な角度としては中間値にあたる [ 45 ]° は、基本設定の [ 30 ]° から比較すると、ハイライトが強く、シャドウが弱くなる、標準設定の「誇張版」としての位置付けです。有機的な素材を製品化した、コート表面に幅広く活用でき、少し光沢がある皮革やロウ、木や紙などの質感を出すことに適しています。
[ レイヤースタイル ] ダイアログで、[ 陰影 ] セクションの [ 高度 ] に、[ 60 ]° を入力します。
プラスチックの質感に最適
[ 高度 ] の設定値を大きくすると、エッジの幅の中心にハイライトが集まるようになり、プラスチックや陶器などのような、艶のある光沢が表現できます。シャドウのバランスもよく、オブジェクトの初期カラーが映えるので、最も使いやすい設定です。[ 光彩 (内側) ] や [ サテン ] を加えることで、透明感のある樹脂製品やガラス製品にも使えます。
[ レイヤースタイル ] ダイアログで、[ 陰影 ] セクションの [ 高度 ] に、[ 75 ]° を入力します。
ガラスの質感に最適
プラスチックの質感の [ 60 ]° から比較すると、ハイライトの階調が狭くなるので、より強い光沢が表現できます。しかし、シャドウの効果が弱くなるので、[ ベベルとエンボス ] による立体感は表現しにくくなります。
論理的には、[ 90 ]° で陰影がなくなるので、それまでの、[ 75 ]° くらいが限界でしょう。光沢が強いガラスや、金属などの質感を出すことに適しています。
フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。