【Photoshop基本操作】色の属性には、色相、彩度、明度があります。これらは数値によって表されます。それぞれの数値が関係し合って、ひとつの色が作られています。しかし、色変換の一般的な認識は、簡単な操作で大きく変わる「色相」だけで済まされていることが多いです。緑の葉を違和感のない鮮やかな紅葉に変えてみましょう。
色の系統を選択して調整する!
[ 色相・彩度 ] には、調整の対象とする色の系統が選択できる項目があります。たとえば緑色なら、グリーン系のほか、イエロー系、ブルー系などの要素も含まれています。
これは特定の色域を選択する大きな武器となります。元画像の陰影や反射部分には、異なる色の系統が含まれている場合も多いので、これらを選択して調整すると、自然な仕上がりが見込めます。
指定の色域を変換する方法
これから行う操作は、緑色の葉を赤色に色調変換する方法です。[ 色域指定 ] を使用して、緑色の葉の幅広い色域を指定します。指定した色域をマスクした [ 色相・彩度 ] 調整レイヤーを作成して、その対象となる色域を、シアン系とグリーン系に分けることで、単調にならない色変換を行います。
![元画像→[色相・彩度]で緑色を赤色に変換](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/08/uf001_01_01a.jpg)
中間調をサンプリングする
素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[ 幅 : 1280 pixel ]、[ 高さ : 960 pixel ] 、[ 解像度 : 72 pixel/inch ]、[ カラーモード : RGB カラー ] を使用しています。

素材画像を開く
どんな大きさにも対応!
作例で使用する素材画像は、赤いレンガ塀を背景とした、緑が鮮やかなツタの写真です。これから行う操作は、ドキュメントサイズに関係しません。どんな大きさの画像にも応用できます。
正確なピクセルをサンプリングするため、200 % 以上の表示倍率でズームインします。

200 % 以上の表示倍率でズームイン
[ 選択範囲 ] メニューから、[ 色域指定 ] を選択します。[ 色域指定 ] ダイアログで、[ 許容量 ] に [ 100 ] を入力します。
[ スポイトツール ] を選択します。[ スポイトツール ] は初期設定で選択されています。
![[許容量]に[100]を設定](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/08/uf001_01_03.jpg)
[ 許容量 ] に [ 100 ] を設定
暫定値を設定!
[ 色域指定 ] ダイアログの [ 許容量 ] は、サンプリングの強さを調整するものです。ここで設定している [ 100 ] は、中間値を示す数値であり、これから行うサンプリングの暫定値です。
カラークラスタを無効!
[ カラークラスタ指定 ] のチェックマークは外しておきます。チェックマークが入っていると、サンプリングした箇所を中心にして範囲が放射状に限定されます。
![[カラークラスタ指定]のチェックマークを外す](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/08/uf001_01_03b.jpg)
[ カラークラスタ指定 ] のチェックマークを外す
特定した一枚の葉の、明るい部分と暗い部分の中間調をクリックします。

一枚の葉の中間調をクリック
中間調をクリック!
この操作は、すべての葉に選択範囲を作成することを目的としています。しかし、緑色の葉の中にも、明るい部分や暗い部分があるので、最終的には複数のサンプリングポイントから抽出することになります。
まず、緑色の葉の大まかな領域として、明るい部分と暗い部分の中間と思われる部分をクリックしましょう。
すると、サンプリングした色域が、白い部分としてプレビューされます。
![[色域指定]のプレビューを確認](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/08/uf001_01_05.jpg)
[ 色域指定 ] のプレビューを確認
![[色域指定]のプレビュー(初期設定)→一枚の葉の中間調をサンプリング](https://psgips.net/wp-content/uploads/2021/08/uf001_01_06.jpg)
プレビューで確認!
[ 色域指定 ] の初期設定では、サンプリングする色域に描画色 ( ブラック ) が設定されています。[ スポイトツール ] でドキュメント内をクリックすると、その箇所の色が選択する色域に設定されます。


フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。