作例の素材画像では、コントラストをそのままにして、全体を明るい印象に、補正することを目的とします。「ポイント座標の特定」によって追加した調整ポイントを、「明るく」、「暗く」のキー操作で調整しましょう。
暗い画像を明るく補正したい場合、通常では、白色点のホワイトバランスを整える操作を行います。しかし、作例の素材画像は、すでに白トビを起こしているため、この操作ができません。そんなときは、シャドウから中間調の階調領域をキーとし、およその適正値を探ります。
【操作方法】
[ プロパティ ] パネルで、シャドウの調整ポイントを選択します。
[ 入力 ] に [ 84 ]、[ 出力 ] に [ 109 ] を設定します。
シャドウの調整で、明るくする量を大きくするほど、階調のねじれが発生します。ハイライトの調整は、これを緩和するために、光量を少しずつアップしていきます。トーンカーブと中間点の開きを意識しながら、およその適正値を探ります。
【操作方法】
ハイライトの調整ポイントを選択します。
[ 入力 ] に [ 170 ]、[ 出力 ] に [ 178 ] を設定します。
シャドウとハイライトの調整で、およその適正値が設定できたら、白レベルと黒レベルを微調整して、トーンカーブを滑らかにします。黒点と白色点を維持するため、これらは、それを仲介する役目です。作例では、白レベルの光量を抑え、黒レベルの光量をアップします。
【操作方法】
白レベルの調整ポイントを選択します。
[ 入力 ] に [ 230 ]、[ 出力 ] に [ 225 ] を設定します。
黒レベルの調整ポイントを選択します。
[ 入力 ] に [ 24 ]、[ 出力 ] に [ 29 ] を設定します。
元画像のコントラストをそのままにして、全体を明るい印象に補正することができました。
カラーの調整は?
RGB の統合チャンネルで、光量の調整を行うと、カラーの印象が変わってしまうことがあります。特にコントラストを強くしたときは、ギラギラした感じになります。これは、光量の変化により、彩度も増幅されるからです。
チャンネル別に調整すれば、カラーの調整も同時に行えます。しかし、初級ユーザーの方には、かなりハードルの高い操作になります。このレッスンでは、黒点と中間点の簡単な調整で、色かぶりを緩和する方法を取ります。