物体の形は陰影によって認識されます。光があって影があるからこそ、その物体の形や素材が感じられるワケです。そのため、主な色調補正ツールのコントロールポイントは、「シャドウ」、「中間調」、「ハイライト」という、3つの領域に分けられています。
画像内の最も暗い領域を黒に近付くよう調整します。シャドウの領域は、256 階調の数値で示すと、0 レベルが最小値で、これを「シャドウ点」、または、「黒点」といい、シャドウ点から 128 レベルの中間点までを範囲とします。注意点は、黒ツブレを起こさないようにします。
中間調の調整
シャドウとハイライトの中間値でバランスを調整します。中間値がシャドウに近付くと全体が明るくなり、ハイライトに近付くと全体が暗くなります。中間調の領域は、256 階調の数値で示すと、128 レベルが中間値で、これを「中間点」、または、「中点」といい、シャドウ点からハイライト点までを範囲とします。注意点は、色かぶりや階調のねじれがないようにします。
画像内の最も明るい領域を白に近付くよう調整します。ハイライトの領域は、256 階調の数値で示すと、255 レベルが最大値で、これを「ハイライト点」、または、「白色点」といい、ハイライト点から 128 レベルの中間点までを範囲とします。注意点は、スペキュラハイライト (光源などの輝き部分) を除き、白トビを起こさないようにします。
黒ツブレと白トビを回避する
黒ツブレ、白トビとは、階調を含んでいない真っ黒な領域や、真っ白な領域を言います。画像を補正する最低条件として、これらを回避することは、一般的な常識とされています。さまざまな階調を含む写真に、黒ツブレや白トビがあると、その部分だけが単一の面になり不自然です。
たとえば、コントラストを高くした人物の額が、白色で丸く抜け落ちてしまっているような現象です。際立ったコントラストを好まれる風潮もありますが、 このような補正では、後の修復も不可能になりますので、最善の注意を払わなければなりません。