基本がわかる!コントラストのつけ方
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最も明るい部分の調整
最も暗い部分の調整ができたら、次は最も明るい部分の調整を「ハイライト点」で行いましょう。ハイライト領域は、シャドウ領域よりも効果が出やすいです。そのため、ヒストグラムによるピクセル分布の、詳細な確認と予測が必要です。
コントラストを上げるには、最も暗い部分の調整 → 最も明るい部分の調整 → トーンバランスの調整という順序で行います。ここでは、画像内の最も明るい部分を、完全な白色に調整しましょう。
【操作方法】
最も明るい部分の調整範囲を、ヒストグラムで確認してください。
ハイライト点のスライダーをドラッグします。ドラッグする位置は調整範囲内です。「ハイライト点」では「白トビ」に注意しましょう。
補正前 ( 元画像 ) とハイライト点を調整した画像を比較してください。
原因を知るための調整
作例では、あまり変化を感じられません。完全な白色に調整した分、補正前よりヘッドライトやウィンドウが若干明るくなりました。しかし、暗く調整したシャドウ領域の影響を受けて暗くなっていることがわかりました。そのため、中間調のトーンバランスで、画像全体の明るさを調整します。
ハイライトの調整範囲とは?
ハイライト領域の調整範囲は、階調レベル [ 255 ] から、ヒストグラムの山型が開始されているところまでです。調整範囲より少し内側の [ 238 ] が設定できました。ヒストグラムが細かく途切れている部分は、少量を無視してもかまいません。ハイライト点が深く入りすぎると、白トビを起こす要因になります。そのため、細心の注意が必要です。
スペキュラハイライト
ハイライト点の操作方法は、シャドウ点の操作とほぼ同じですが、ハイライト領域には異なる「見方」があります。それは、「スペキュラハイライト」という、光源などの輝き部分が、画像に含まれている場合です。たとえば、下図ような画像です。
スペキュラハイライトの部分は、すでに白トビしてしまっている場合も多く、この場合、ハイライト点の調整範囲がありません。つまり、調整することができません。
しかし、スペキュラハイライトは「輝く」という効果です。そのため、多少の演出があってもいいと思います。つまり、影響のない範囲で、白トビさせてもかまわない…ということです。作例では、ヘッドライトの部分に、スペキュラハイライトが含まれています。
スペキュラは演出である
キラリと輝く光源「スペキュラハイライト」が画像に含まれていると、その部分はすでに白トビしているかも知れません。白トビしている画像のハイライト点は、調整すべきではありませんが、このスペキュラハイライトだけは例外です。
キラリと輝く光源の階調レベルを考えてみると、外観との境界線がハッキリしているほど効果的です。すでに白トビしている部分とハッキリした境界線。これを演出として捉えるなら、調整すべきハイライト点は、さらに内側 (階調レベル [ 255 ] より小さい数値) にあるかも知れません。
白トビ画像の見分け方
スペキュラハイライトを除き、補正する前から、ヒストグラムの山型が、[ 255 ] レベルから開始されている画像は、すでに白トビを起こしている可能性があります。たとえば、下図ようなヒストグラムです。この場合、ハイライト点の調整は、行うべきではありません。
CMYKはアソビを設ける
CMYK カラーで作業する場合は、明るい部分の微妙な階調が失われやすくなるため、[ 出力レベル ] のハイライト点に、5 % 程度のアソビを設ける場合があります。
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スポイトツールでハイライト点を設定
調整点の操作は、スポイトツールで行うこともできます。上から、シャドウ点、中間点 (グレー点)、ハイライト点です。
【操作方法】
ハイライト点のスポイトツールをクリックして選択します。
画像内の最も明るい部分、または、完全な白色にしたい部分をクリックします。
[ レベル補正 ] ダイアログで、ハイライト点が調整されたことを確認してください。
正確な補正には向いていない
適用する画像によって、最も明るい部分が確認しにくい場合もあります。そのため、正確な補正には向いていません。ヒストグラムで確認しながら、調整点をドラッグする操作を基本としましょう。
画像内でハイライト点を抽出
[ レベル補正 ] では、シャドウ点とハイライト点の限界を表示するモードに、切り替えることができます。
【操作方法】
[ option ( Alt ) ] キーを押しながら調整点をドラッグします。すると、[ 黒点 / 白色点の限界を表示 ] モードに切り替わります。
[ 黒点 / 白色点の限界を表示 ] モードでは、調整位置によって、簡略化された画像がプレビューされます。真っ黒な状態から、画像が少し浮かび上がったところにハイライト点を設定します。
コントラストを上げるための、最も明るい部分の調整ができました。ハイライト点の設定値を確認してください。
フリーのグラフィックデザイナーです。カタログ、ポスター、パッケージなど様々な分野に携わってきました。