基本がわかる!画像解像度の設定「物理的な大きさとの関係」

基本がわかる!
画像解像度の設定

ピクセル数の変更と補間方法

ピクセル数の変更とは、物理的な大きさではなく、画像を構成しているピクセルの密度を変えるということです。たとえば、デジカメで撮影した画像をパソコンに取り込み、Web 用の表示画像に使用する場合などです。
ブラウザの表示スピードを向上させるには、一般的なパソコン画面の「画面解像度」に合わせて、ピクセル数を少なく変更することが必要とされています。

ピクセル数を変更

画像をキレイにしたいから、高い解像度に変更する…というのは大きな間違いです。[ 幅 ]、[ 高さ ] の物理的な大きさを変えず、[ 解像度 ] を高い数値に変更すると、画像のピクセル数 [ 寸法 ] が変更されます。では、低い解像度から高い解像度に変更すると、どうなるでしょうか?
元画像では細かい縞模様が鮮明に見える
ピクセルは色の情報ですから、増える部分にはもともと情報がありません。つまり、Photoshop が自動的に色情報を割り振って、変更するピクセル数に合わせるのです。これを「ピクセル情報の補間」といいます。
Photoshop で精度の高いピクセルの補間は行えますが、解像度を上げると逆に、画質が劣化してしまう場合があります。
高い解像度に変更するとぼけてしまう
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ピクセル情報の補間

「ピクセル情報の補間」とは、隣接するピクセルの平均値で新しいピクセルを計算して、足りない部分に穴埋めする機能です。ピクセル数を変更すると、ピクセルとピクセルの間に新しいピクセルが補間されます。
たとえば、黒と白の2つのピクセルを3つに増やすと、2つのピクセルの間に 50% グレーのピクセルが穴埋めされます。つまり、隣接するピクセルの平均値で、新しいピクセルが穴埋めされます。これを「ピクセルのブレンド」といいます。
補間する領域がもっと増えると、増えた分だけの階調が生成されます。黒と白というはっきりしたディテールが、ピクセル情報の補間によってブレンドされ、これが幅、高さに展開されるので、画像がぼけてしまうのです。広い領域でのピクセルのブレンドには、このようなリスクが伴います。
ピクセル数は変更しない?
ピクセル数の変更による画質の劣化は、できるだけ避けたいですね。問題は縮小より拡大です。画像を構成するピクセル数は拡大すると増えます。
増えるピクセルは、もともと足りないピクセルですから、そのために細かいディテールがブレンドされて、画像がぼけてしまうことだってあるのです。
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再サンプルの補間方法を選択

ドキュメントのピクセル数を変更する場合は、現在のピクセル情報が失われ、新たに画像の再サンプルが行われることを念頭におかなければなりません。
[ 画像解像度 ] ダイアログ
画像の [ 再サンプル ] とは、設定するピクセル数に合わせ、ピクセル情報の補間が行われることを意味します。
ピクセル情報の補間は、元画像からの画質の劣化は免れません。しかし、さまざまな補間方法によって、画質の劣化を最小限に抑えることはできます。
[ イメージ ] – [ 画像解像度 ]
[ option ( Alt ) ] + [ command ( Ctrl ) ] + [ I ]

バイキュービック法

Photoshop の初期設定であり主流とされるのは、処理スピードは遅いですが、高い精度の補間が行われるバイキュービック法です。バイキュービック法を簡単に説明すると、ブレンド率に3次元関数を用いて、隣接するピクセルをより滑らかに見せています。
自動
画像に適したバイキュービック法を自動的に判断して適用 バージョン CC 以降の初期設定
バイキュービック自動
画像に適したバイキュービック法を自動的に判断して適用 バージョン CS 6 の初期設定
ディテールを保持 (拡大)
ノイズを軽減させる機能でアップサンプリングを円滑に行う バージョン CC 以降
ディテールを保持 2.0
人工知能によるアルゴリズムで最適なアップサンプリングを行う バージョン CC 2018 以降
バイキュービック法 (滑らかなグラデーション)
標準的なブレンド率を適用 バージョン CS 5.5 以前の初期設定
バイキュービック法 – 滑らか (拡大に最適)
標準よりブレンド率が高めに設定されたバイキュービック法
バイキュービック法 – シャープ (縮小に最適)
標準よりブレンド率が低めに設定されたバイキュービック法

ニアレストネイバー法

[ ニアレストネイバー法 ] は、隣接するピクセルで単純に補間します。鮮明な線を保持できるという特性から、線画やエッジがあるイラストの補間、簡略化したい図形、ファイルサイズの省力化などに適しています。

バイリニア法

[ バイリニア法 ] は、バイキュービック法と比較して、少しハードな印象の標準的な補間が行われます。隣接するピクセルの4点から中間値を算出しているので、処理スピードが早いというメリットがあります。
精度の低い補完方法?
精度の低い補完方法なんて使い道があるの? と思われる方も多いでしょう。しかし、これが意外に重宝する機能なのです。
[ ニアレストネイバー法 ] は、補完方法の重要な機能である [ アンチエイリアス ] がなく、補完後はギザギザのエッジや線に変換されます。そのため、2の倍数という制約はありますが、ドットの形状や構成を、そのまま拡大できるという利点があるのです。
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