写真をイラスト調に!水彩画の風景スケッチ

写真をイラスト調に! 水彩画の風景スケッチ「たらし込み技法と彩色ムラを再現」

【Photoshop講座】水彩画の一般的なイメージは、顔料を薄くぼかしながら塗り重ねていく、透明水彩 (ウォーターカラー) という画法でしょう。不透明絵具を塗り重ねて行く画法との大きな違いは、用紙の地色を活かしながら彩色していくことです。風景写真を素朴な水彩画風に仕上げてみましょう。
絵具のにじみを再現しよう!
絵具が乾かないうちに他の色を塗ってにじませる「たらし込み技法」では、ぼかしやにじみの他に、境界線が際立った絵具溜めの効果も、水彩画のタッチを再現する大きなポイントだと思います。
[ ドライブラシ ] フィルターで、この絵具溜めの効果をプラスしたら、どんな風景写真だって、水彩画に早変わりします。
写真をイラスト調に!
水彩画の風景スケッチ
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風景写真を水彩画風に加工

これから行う操作は、風景写真を水彩画風に加工する方法です。フィルターや描画モード、色調補正など、複数の操作を経て完成させます。
風景写真を水彩画風に加工
「水彩画の風景スケッチ」は、元画像をそのまま利用する方法です。そのため、作例とは違うピクセルサイズの画像では、効果が発揮できないことがあります。他の素材に応用する場合は、あらかじめ、使用する画像の長辺をリサイズしてください。

マージン領域を塗りつぶす

水彩画タッチのフレーム効果を得るため、画像の周囲にマージンを設けます。元画像の内側にマージンを取ると、写体の構図などに影響が出るので、[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] を使用して、領域を外側に増やす方法をとります。
マージン領域の塗りつぶし

マージンガイドを作成

計画的に作業を進める上で、ガイドの作成は欠かせません。素材画像を開いて、まず、現在のドキュメントサイズを示すガイドを作成しましょう。
【操作方法】
素材画像をダウンロードして開きます。素材画像は、[ 幅:1024 pixel ]、[ 高さ:683 pixel ] 、[ 解像度:72 pixel/inch ]、[ カラーモード:RGB カラー ] を使用しています。加工する素材は、色彩を多く含む風景写真が好ましいです。
素材画像を開く
素材画像を開く
photo by juliacasado1
[ 表示 ] メニューから、[ 新規ガイドレイアウトを作成 ] を選択します。[ 新規ガイドレイアウトを作成 ] ダイアログで、[ 列 ] セクションの [ 数 ] に [ 1 ]、[ 行 ] セクションの [ 数 ] に [ 1 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
[新規ガイドレイアウトを作成]を設定
[ 新規ガイドレイアウトを作成 ] を設定
ドキュメントの端に、ガイドが作成されたことを確認します。
ガイドの作成を確認
ガイドの作成を確認
元画像の領域を示す!
[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] で、領域を外側に増やすと、元画像との境界線がわからなくなります。それほどスゴイ機能なんです。
ここでは、元画像の構図をそのまま残したいので、その位置の参考となるガイドを作成しておきます。
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カンバスサイズを設定

元画像の領域にガイドが作成できたら、カンバスサイズを大きくして、画像の周辺にマージン領域を増やします。本来のマージンの取り方とは逆ですが、Photoshop なら、足りない領域も簡単に増やすことができます。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、[ 背景 ] レイヤーサムネールをダブルクリックして、[ 新規レイヤー ] ダイアログを表示します。
[背景]をダブルクリック
[ 背景 ] をダブルクリック
[ 新規レイヤー ] ダイアログで、[ レイヤー名 ] に [ 彩色 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
レイヤー名を設定
レイヤー名を設定
[ 背景 ] が、レイヤー [ 彩色 ] に変換されたことを確認します。
レイヤーの変換を確認
レイヤーの変換を確認
[ イメージ ] メニューから、[ カンバスサイズ ] を選択します。[ カンバスサイズ ] ダイアログで、[ 単位 ] に [ % ] を選択します。[ 幅 ]、[ 高さ ] にそれぞれ [ 125 ] を入力して、[ OK ] をクリックします。
[カンバスサイズ]を設定
[ カンバスサイズ ] を設定
カンバスサイズを 125% 拡大することで、画像の周囲にマージン領域が作成されたことを確認します。
マージン領域を確認
マージン領域を確認
透明ピクセルを選択範囲に!
[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] の塗りつぶし領域は、透明ピクセルである必要はありません。透明ピクセルを含んだドキュメントにすることで、その足りない領域を効率的に選択するためです。

マージン領域を選択

[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] に必要な、選択範囲を作成しましょう。足りない領域は、画像の周辺に作成したマージン領域です。まず、描画ピクセルを選択して、それを反転すれば、簡単に選択することができます。
【操作方法】
[ レイヤー ] パネルで、[ 彩色 ] のレイヤーサムネールを、[ command ( Ctrl ) ] キーを押しながらクリックします。描画ピクセルを選択
[command(Ctrl)]+クリック
[ command ( Ctrl ) ] + クリック
元画像の領域に、選択範囲が作成されたことを確認します。
選択範囲を確認
選択範囲を確認
[ 選択範囲 ] メニューから、[ 選択範囲を反転 ] を選択して適用します。
[ 選択範囲 ] メニューから、[ 選択範囲を変更 ] – [ 拡張 ] を選択します。[ 選択範囲を拡張 ] ダイアログで、[ 拡張量 ] に [ 1 ] pixel を入力して、[ OK ] をクリックします。
[選択範囲を拡張]を設定
[ 選択範囲を拡張 ] を設定
マージン領域に拡張した選択範囲が作成されたことを確認します。
マージン領域の選択範囲を確認
マージン領域の選択範囲を確認
なぜ選択を拡張するの?
元画像のエッジ部分には、ファイルの圧縮や拡大・縮小などが原因となる「ブレ線」が残っている場合があります。
足りない領域の穴埋め修正では、つなぎ目となるエッジ部分に、少しだけ重なる領域を設けてブレ線を隠します。

コンテンツに応じた塗りつぶし

[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] は、隣接する画像から情報を得て、足りない領域を穴埋めする機能です。ここでは、元画像の領域を最大限に活用するために塗りつぶします。そのため、詳細な精度は必要ありません。
【操作方法】
[ 編集 ] メニューから、[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] を選択します。すると、[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] プロパティパネルが表示されます。
[コンテンツに応じた塗りつぶし]プロパティパネル
[ コンテンツに応じた塗りつぶし ] プロパティパネル
プロパティパネルで、[ サンプリング領域のオプション ] に [ 自動 ] を選択します。
[ 塗りつぶしの設定 ] セクションの [ 回転適用 ] に [ なし ] を選択します。
[サンプリング領域のオプション:自動]を選択
[ サンプリング領域のオプション : 自動 ] を選択
[ 出力設定 ] セクションの [ 出力先 ] に、[ 現在のレイヤー ] を選択します。
[ OK ] をクリックします。
[出力先:現在のレイヤー]を選択
[ 出力先 : 現在のレイヤー ] を選択
[ command ( Ctrl ) ] + [ D ] キーを押して、選択を解除します。
選択を解除
選択を解除
出力方法に注意!
[ 出力先 ] に [ 現在のレイヤー ] を選択すると、元画像がプレビュー画面の結果に書き換えられます。
他にも [ レイヤーを複製 ]、[ 新規レイヤー ] が選択できますが、ここでは、マージン領域を含めた1枚のレイヤーにしておく必要があります。
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