トラブルを未然に防ぐ!カラー設定10選

トラブルを未然に防ぐ!カラー設定10選

【Photoshop基本操作】モニタに表示される画像の「色が合わない」のは、カラー設定が間違っているからです。しかし、それがモニタのせいなのか? ファイルのせいなのか? Photoshop のせいなのか? 原因を突き止めるのは難しいですね。さまざまな方向から、カラー設定を見直してみましょう。


「カラーマネジメントを行う」が前提!
カラーマネジメントとは、IEC(国際電気標準会議)が定めたカラープロファイルによって、モニタやプリンタなど、個々の機器による色再現の違いを統一的に管理することをいいます。カラープロファイルの設定を簡単に言うと、ファイルを開いたときに、プロファイルが一致しなかったらどうするのか? という設定(カラーマネジメント)です。プロファイルを埋め込まない設定は、過去の遺物になりつつあるので、カラーマネジメントを行うことを前提としましょう。

モニタの調整

まず、真っ先にチェックしなければならないのは、ご使用のモニタ(ディスプレイ)です。電子機器には個体差があり、設定方法もそれぞれに異なるので、この設定がいちばん厄介です。本格的なキャリブレーションツールの使用ともなれば、いきなり難しい課題となりますが、簡易的な方法で調整すると、劇的に改善されることもあるので挑戦してみましょう。

簡易的なキャリブレーション

Mac OS X の場合、[システム環境設定]→[ディスプレイ]→[カラー]を選択します。その他の OS をお使いの場合は、ディスプレイ設定から、画面の色調整を行なってください。
製品出荷時の設定で問題ない場合は、以下の調整を行わないでください。
[option(Alt)]キーを押しながら、[補正]をクリックします。
[補正]を[option(Alt)]+クリック
[補正]を[option(Alt)]+クリック
詳細モードの[ディスプレイキャリブレータ・アシスタント]ダイアログが表示されます。[続ける]をクリックします。
[続ける]をクリック
[続ける]をクリック
[ネイティブガンマ]、[使用するガンマ]、[ホワイトポイント]をそれぞれ調整します。
[ネイティブガンマ]の調整→[使用するガンマ]の調整
設定を変更したプロファイルに名前を付け、[続ける]をクリックします。
[ホワイトポイント]の調整→プロファイルの名前を入力
[設定結果]に補正済みの新しいディスプレイプロファイルの内容を確認したら、[完了]をクリックします。
[完了]をクリック
[完了]をクリック
[ディスプレイプロファイル]に補正済みの新しいディスプレイプロファイルを確認します。
補正済みのプロファイルを確認
補正済みのプロファイルを確認

モニタのプロファイルを設定

印刷用では、[ディスプレイプロファイル]に[Adobe RGB (1998)]を選択します。[システム環境設定]を終了します。
[Adobe RGB (1998)]を選択
[Adobe RGB (1998)]を選択
ディスプレイプロファイルとは?
ディスプレイプロファイルとは、モニタやプリンタなど、個々の機器によって再現される色の違いを補正するための情報で、一般的には「カラープロファイル」、「ICCプロファイル」とも呼ばれています。
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カラー設定

Photoshop を最初に起動したときは、目的の作業に適した[カラー設定]を行います。[カラー設定]は、色の見え方に大きく影響します。適切な設定が行われていないと、表示される色が変わってしまったり、作成した画像データの色が、他のパソコンで再現されにくくなります。

Web用のカラー設定

Web 用に限定するなら、[Web・インターネット用-日本]がいいでしょう。[Web・インターネット用-日本]では、取り扱う画像データに埋め込まれた、RGB のカラープロファイルを変換します。[編集]メニューから、[カラー設定]を選択します。[カラー設定]ダイアログで、[設定]に[Web・インターネット用-日本]を選択します。
[設定]に[Web・インターネット用-日本]を選択
[設定]に[Web・インターネット用-日本]を選択
説明:Web・インターネット用-日本:インターネットホームページに表示するコンテンツなど、印刷用でないコンテンツを日本において作成するときに適したカラー設定です。RGB コンテンツは sRGB に変換されます。
ここで注目する項目は、[作業用スペース]セクションの[RGB]です。[sRGB IEC61966-2.1]というのが、現在、設定されているカラープロファイルです。一般的なモニタやプリンタなどの初期設定では、この「sRGB」が使用されています。[Web・インターネット用-日本]に設定しておくと、Photoshop で開いたすべての RGB 画像は、「sRGB」にプロファイル変換されます。
[Web・インターネット用-日本]の設定内容
[Web・インターネット用-日本]の設定内容
Web用なら「sRGB」で統一する!
「sRGB」とは、IEC(国際電気標準会議)が定めた「色空間」の国際標準規格です。モニタやプリンタ、デジタルカメラなど、一般的な機種のほとんどが採用している「色空間」で、パソコンなど機器への設定は、「カラープロファイル」で行います。プリセット[Web・インターネット用-日本]に設定すると、[作業用スペース]の[RGB]に[sRGB IEC61966-2.1]、つまり、「sRGB」の色空間が適用されます。大事なのはこの設定であり、何が何でも、[Web・インターネット用-日本]でなければならない訳ではありません。プロファイルの破棄や手動による変換など、出力時に「sRGB」が適用されるように作業を組み立てましょう。

印刷用のカラー設定

印刷用に適したプリセットは、[プリプレス用-日本2]です。[プリプレス用-日本2]では、[作業用スペース]セクションの[RGB]に[Adobe RGB (1998)]が設定されています。
[設定]に[プリプレス用-日本2]を選択
[設定]に[プリプレス用-日本2]を選択
説明:プリプレス用-日本2:日本における一般的な印刷条件に合わせたコンテンツを作成するときに適したカラー設定です。CMYK の値は保持され、カラープロファイルについての警告は必要に応じて表示されます。
「Adobe RGB」を簡単に言うと、CMYK カラーに適した RGB カラープロファイルです。「sRGB」設定時よりも、色の再現力が高くなります。印刷の用途がある場合は、[プリプレス用-日本2]を設定しておきましょう。
[プリプレス用-日本2]の設定内容
[プリプレス用-日本2]の設定内容
印刷用なら「Adobe RGB」で統一する!
「Adobe RGB」とは、Adobe Systems が定めた色空間で、国際標準規格の「sRGB」よりも広い色再現領域を持ち、商業印刷などの専門的な分野で標準的に使われています。プリセット[プリプレス用-日本2]に設定すると、[作業用スペース]の[RGB]に[Adobe RGB (1998)]の色空間が適用されます。[カラーマネジメントポリシー]では、すべての項目で[埋め込まれたプロファイルを保持]に設定されていますが、画像データを入稿する印刷所によって、独自のカラー設定や、カラープロファイルを指定する場合があります。データを作成する前に必ず入稿ガイドを確認しましょう。
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一貫したカラー設定に同期

[カラー設定]の非同期を示すこのアイコンは、Creative Cloud にあるそれぞれのアプリケーションの[カラー設定]が、違う設定になっていると表示されるものです。
非同期:Creative Cloud アプリケーションが一貫したカラー設定に同期されていません。
[カラー設定]が非同期→[カラー設定]が同期済み
Photoshop 単体で使う分には影響ないようですが、それでも気になる方は、Bridge を起動し、[編集]メニューから、[カラー設定]を選択して、[カラー設定]ダイアログで、Photoshop と同じプリセットを選択してください。
Bridge の[カラー設定]を適用
Bridge の[カラー設定]を適用
どのプリセットに同期させるか?
Web 用の画像を扱うのなら、[Web・インターネット用-日本]が最適です。印刷用の画像を扱うのなら、[プリプレス用-日本2]が最適です。用途に合わせて同期させることが理想ですが、どちらも扱う場合は、[プリプレス用-日本2]がオススメです。[プリプレス用-日本2]では、「Adobe RGB」のカラースペースを使用するので、未対応の電子機器、Web ブラウザなどには不向きです。それさえクリアできれば、「sRGB」のカラースペースにこだわる必要はありません。
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プロファイルの確認

画面の色と印刷出力の色に違いがあったり、Web ブラウザで見る色が、どこか微妙に違っていたりしたことはありませんか? これは、デジタルカメラやスキャナーなど、入力機器の画像に埋め込まれているカラープロファイルと、Photoshopの[作業用スペース]のプロファイルが異なっていたことが原因として考えられます。作業を始める前に、カラープロファイルを確認する習慣をつけ、用途に応じた適切な設定を行いましょう。
ドキュメントウィンドウのアンダーバーにある[>]をクリックして、表示メニューから[ドキュメントのプロファイル]を選択します。[ドキュメントのプロファイル]を選択しておくと、ドキュメントウィンドウのアンダーバーに、カラープロファイル名が表示されます。
カラープロファイル名が表示される
プロファイルが違っていたらどうする?
たとえば、対象のドキュメントが[sRGB IEC61966-2.1]で、[作業用 RGB]が[Adobe RGB (1998)]に設定している場合、印刷用データを作成するなら、カラースペースの領域が増えることになるので、プロファイルの変換を行なった方が再現力は向上します。

プロファイルの指定

カラーマネジメントが行われていないドキュメントに対して、新しいカラープロファイルを指定したい場合は、[編集]メニューから、[プロファイルの指定]を選択します。
[プロファイルの指定]ダイアログで、[作業用 RGB]、または[プロファイル]をクリックし、[(新しいプロファイル名)]を選択して、[OK]をクリックします。
新しいプロファイルを選択
新しいプロファイルを選択
カラー値は変わらないが表示は変わる!
カラーマネジメントが行われていないドキュメントは、現在のカラー値がそのまま引き継がれて、新しいプロファイルのカラーが表示されます。たとえば、ドキュメントを開く際にプロファイルの不一致があり、すでに[作業用 RGB]に変換されたものは、同一のプロファイルを設定すると表示が変わりません。別のプロファイルを設定すると表示が変わります。

プロファイルの変換

ドキュメントに埋め込まれたプロファイルを、別のプロファイルに変換したい場合は、[編集]メニューから、[プロファイル変換]を選択します。
[プロファイル変換]ダイアログで、[変換後のカラースペース]の[プロファイル]に、[(新しいプロファイル名)]を選択します。[変換オプション]の[変換方式]に[Adobe (ACE)]、[マッチング方法]に[知覚的]を選択、[黒点の補正を使用]、[ディザの使用]にチェックマークを入れて、[OK]をクリックします。
ドキュメントに埋め込まれたプロファイルを変換する
ドキュメントに埋め込まれたプロファイルを変換する
カラー値は変わるが表示は変わらない!
カラープロファイルが埋め込まれたドキュメントは、そのプロファイルのカラースペースが使用されているため、別のプロファイルに変換するとカラー値が置き換えられます。しかし、変換後のカラーを合わせる機能があるので、表示はほとんど変わりません。[マッチング方法]の設定は、[知覚的]、[相対的な色域を維持]がポピュラーです。

プロファイルの破棄

[プロファイルの指定]を活用すれば、ドキュメントに埋め込まれたプロファイルを破棄することができます。[編集]メニューから、[プロファイルの指定]を選択します。[プロファイルの指定]ダイアログで、[このドキュメントのカラーマネジメントを行わない]をクリックして、[OK]をクリックします。
[このドキュメントのカラーマネジメントを行わない]をクリック
[このドキュメントのカラーマネジメントを行わない]をクリック
カラープロファイルが埋め込まれていない場合は、ドキュメントウィンドウのアンダーバーに「タグのない RGB (8bpc)」が表示されます。
プロファイルが破棄されたことを確認
プロファイルが破棄されたことを確認
プロファイルの破棄はNG?
プロファイルの破棄は、できるだけ行わない方がいいですが、印刷所などの入稿では、プレーンな画像データを求められる場合も少なくありません。「プロファイルは破棄してください」と言われたら、この操作を行いましょう。

色の校正

パソコンで扱うほとんどの画像は、[RGB カラー]で作成されています。しかし、商業印刷の入稿データは、[CMYK カラー]が推奨されています。CMYK カラーに変換すると、画像の色が暗く濁ったような感じになります。これは、CMYK カラーが RGB カラーに比べ、再現できる色が極端に少ないため、近似色に置き換えた当然の結果なのです。
CMYK プレビューで色の校正をしたい場合は、[表示]メニューから、[校正設定]→[作業用 CMYK]を選択します。
[作業用 CMYK]を選択
[作業用 CMYK]を選択
[表示]メニューから、[色の校正]を選択します。すると、CMYK 変換後の画像がプレビューできます。([校正設定]→[作業用 CMYK]選択時)
RGB カラーの元画像→[色の校正]で CMYK をプレビュー
鮮やかすぎる色には注意!
気をつけなければならないことは、変換前の鮮やかすぎる色です。RGB カラー特有の輝度を持った発色のいい色は、CMYK カラーに変換すると、微妙な階調を失ってしまうことが多いからです。このような場合は、CMYK 変換前に、彩度を少しだけ落としておきます。

色域外警告

[色の校正]によって、CMYK 変換後のイメージは掴めますが、たとえば、CMYK 特有のフラットな印象を補正したい場合、その原因となった箇所が知りたいですよね? そんなときは、[色域外警告]を活用してみましょう。
[表示]メニューから、[色域外警告]を選択します。すると、色域外の領域がグレーで表示されます。
[色域外警告]を有効にする
色域外の領域がグレーで表示される
色域外の領域がグレーで表示される
補正は[色域指定]などを活用して、詳細に行うものですが、ここでは簡単に、[自然な彩度]調整レイヤーを活用して、グレーの表示領域が、どのように変化するか確認してみましょう。
[彩度]を落とすとグレーの表示領域が少なくなる
[彩度]を落とすとグレーの表示領域が少なくなる
[彩度]を上げるとグレーの表示領域が多くなる
[彩度]を上げるとグレーの表示領域が多くなる
このグレーの表示領域が、できるだけ少なくなるように調整します。わずかな調整でも、グレーの表示領域は大きく変化します。調整の目安は -10 % 〜 -15 % です。
調整レイヤーを適用してCMYK 変換する
調整レイヤーを適用してCMYK 変換する
色域外はどうなる?
[色域外警告]は、「再現できない色」の領域を知る「目安」で、グレーで表示される部分があるとダメだと言うものではありません。色域外として表示された領域は、いちばん近い CMYK で変換されます。しかし、色域外の度合いが大きいと、発色のいい鮮やかな色が暗く濁ってしまったり、同系色の階調が均一になってしまうトーンジャンプを引き起こします。それらを極力抑えることが[色域外警告]の目的です。

書き出しとWeb用に保存

Web 用の画像は、あらゆる環境で表示されるものです。なので、「sRGB」のカラースペースが基本とされていますが、カラープロファイル対応のブラウザや、「Adobe RGB」対応のモニタもたくさん使用されています。ここでは一般的な「Web 用の書き出し」についてご紹介しましょう。

書き出しの環境設定

[Photoshop CC(編集)]メニューから、[環境設定]→[書き出し]を選択します。または、[ファイル]メニューから、[書き出し]→[書き出しの環境設定]を選択します。[環境設定]ダイアログで、[カラースペース]の[sRGB に変換]にチェックマークを入れて、[OK]をクリックします。
[sRGB に変換]にチェックマークを入れる
[sRGB に変換]にチェックマークを入れる

Web用に保存

[ファイル]メニューから、[書き出し]→[Web 用に保存 (従来)]を選択します。[sRGB に変換]にチェックマークを入れて、[保存]をクリックします。
色域外の領域がグレーで表示される
[sRGB に変換]にチェックマークを入れる
プロファイルを埋め込む?
Web 用ブラウザとして多くの人に使用されている「Safari」や「Firefox」などは、一般的なカラープロファイルに対応しています。カラープロファイルの埋め込みは、[Web 用に保存 (従来)]でも、[カラープロファイルの埋め込み]にチェックマークを入れると設定することができます。GIF は埋め込みすることができません。

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